映画

『フォードvsフェラーリ』

終わってしまうギリギリで見てきましたが、これはハリウッドの王道映画とも言える作品ですね。 ル・マン24時間レースで優勝したものの心臓病でレーサーを引退したキャロル・シェルビー(マッド・デイモン)と、偏屈でありながら車の特徴を見抜く目とドライバ…

『リチャード・ジュエル』

一言で言えば非常に「反時代的」な映画。基本的には、イーストウッドがここ最近好んで取り上げる、「無名の人の行った英雄的行為」を描いたもの。アトランタオリンピックの開催中に起きた爆弾テロ事件において、爆弾をいち早く発見し、被害の拡大を防いだリ…

『ラストレター』

岩井俊二監督作品。とりあえず、映画.COMに載っているあらすじは次のようなもの。 姉・未咲の葬儀に参列した裕里は、未咲の娘・鮎美から、未咲宛ての同窓会の案内状と未咲が鮎美に遺した手紙の存在を告げられる。未咲の死を知らせるため同窓会へ行く裕里だっ…

『パラサイト』

カンヌのパルムドールを獲った話題作ですが、評判通り面白かったです。 近年、『万引き家族』にしろ『家族を想うとき』にしろ、あるいは『ジョーカー』にしろ、格差社会を正面から取り上げた映画が多いですが、その中でもこの『パラサイト』のパンチ力はすご…

『カツベン!』

この正月に知り合いからチケットをもらったので見に行こうと思ったら、立川は夜遅くの回しかなく、昭島Movixまで行って見てきました。日曜なので観客は15人もいないくらいでけっこう厳しいですね。 監督は周防正行。無声映画の活動弁士を描いたコメディ映画…

『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』

別にスター・ウォーズのファンというわけではないので見るのが遅れましたが、なんだかんだ言って今まで全部見てきているので(エピソード4と5はTV)、完結編も見ておこうということで見に行ってきました。 『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』よりは面白か…

2019年の映画

去年に引き続き映画館で見た映画は13本。立川シネマシティ以外で2本見たというのが去年に比べると進歩と言えるかもしれない。その程度の映画熱ですが、毎年恒例でもあるのでベスト5を紹介します。 1位 『運び屋』 まあ、自分はイーストウッド大好き人間なの…

『家族を想うとき』

ケン・ローチがフランチャイズの宅配ドライバーのリッキーとその家族を描いたドラマ。見る前は邦題がダサいと思いましたが、見終わってみるとこれでいいのかもしれません。見た後にずっしりとしたものを残す社会派ドラマとなっています。 映画はリッキーが宅…

『ジョーカー』

ようやく見てきました。 評判通りホアキン・フェニックスの怪演はさすがで、まずその演技に惹きつけられました。主人公のアーサーのちょっとずれたようなダンスも印象的で、主演の存在感が際立った映画だったと思います。 これだけ公開から時間が経つとだい…

『ホテル・ムンバイ』

タイトルから「『ホテル・ルワンダ』のようなヒューマンドラマなのかな〜?」くらいにしか思っていなかったのですが、TwitterのTLで「傑作!」との声を聞いて見に行ってみたんですけど、確かにこれは面白い!近年でも出色の緊迫感を持った映画です。 題材は2…

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

仕事が急遽休みになったので見てきました。 タランティーノ監督の新作は、1969年に起きたロマン・ポランスキーの妻であり女優でもあったシャロン・テートがカルト集団チャールズ・マンソン・ファミリーに殺害された事件をモチーフにした作品。 主人公のリッ…

『マーウェン』

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『フォレスト・ガンプ』のロバート・ゼメキス監督が、ミニチュアのG.I.ジョーのホーギー大佐と5人のバービー人形がナチス親衛隊と戦うジオラマを作り、それを写真として発表し高い評価を得たマーク・ホーガンキャンプに…

『天気の子』

なかなかいいんじゃないでしょうか。 さすがにエンタメのとしての完成度は『君の名は。』に劣ると思いますが、新海誠作品で「世界か君」かどちらを選ぶとすれば、「君」の一択であってストーリーの大筋は見えるているんですけど、あのラストは力強い。まさに…

『海獣の子供』

五十嵐大介の長編漫画を、松本大洋の『鉄コン筋クリート』などを手がけたSTUDIO 4℃が映画化したもの。 まず、とにかくアニメとしての表現は素晴らしい! 五十嵐大介の線が多くて動かしにくそうなキャラクターを見事に動かしているし、前半に見られるこった構…

『ROMA/ローマ』

『セロ・グラビティ』のアルフォンソ・キュアロン監督作品にして、Netflix製作ながら、アカデミー賞の監督賞を受賞した映画。アップリンクの渋谷でやっていると知り、ようやく見てきました。 まず冒頭から特筆すべきなのは撮影の上手さ。『ゼロ・グラビティ…

『バイス』

ブッシュ(子)政権で副大統領を務め、イラク戦争を主導したとも言われるディック・チェイニーを描いた映画。監督は『マネー・ショート』のアダム・マッケイで、チェイニーを演じるのがクリスチャン・ベール、ラムズフェルド役にスティーヴ・カレルと『マネ…

『グリーンブック』

今年のアカデミー賞作品賞受賞作品。生まれも育ちも違う2人が絆を深めるロードームビーのバディものという典型的な作劇なのですが、脚本が非常に良く出来ていて、ストーリー的には予定調和であっても最後まで楽しめます。 ヴィゴ・モーテンセンとマハーシャ…

『運び屋』

毎回水準以上のクリント・イーストウッドの作品ですが、これは良かった! クリント・イーストウッドが、実在した90歳の麻薬の運び屋をモデルにし、自ら主演した映画ということで、主人公は『ミリオンダラー・ベイビー』や『グラン・トリノ』の主役に通じるよ…

『アリータ: バトル・エンジェル』

今日見てきましたが、なかなか面白かったです。原作は未読なので、原作のファンがどう感じるかはわかりませんが、SFアクションとして楽しめる映画です。 まずは監督にロバート・ロドリゲスを起用したのが当たりでしょう。ロバート・ロドリゲスは切れのあるア…

『ファースト・マン』

『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼルが再びライアン・ゴズリングとタッグを組んで、初めて月面に降り立ったニール・アームストロングのそこにいたる軌跡を描いた映画。 宇宙飛行士を描いた映画というと『ライトスタッフ』が思い起こされますが、あの映…

『フロント・ランナー』

1988年の大統領選で民主党の有力候補でありながらスキャンダルで失速したゲイリー・ハートを描いた映画で、ハートをヒュー・ジャックマンが演じています。 ハートは若く、見た目も良くて、レーガンに連敗していた民主党にとっても救世主的な候補でしたが、本…

2018年の映画

今年も立川のシネマシティ以外で見たのは1本のみ。『カメラを止めるな』も見ようと思いつつ、立川のシネマシティでやらなかったので結局見なかったという無精な状態でしたが、よかった映画を5本あげたいと思います。 1位 『レディ・バード』 傑作かと問われ…

『ボヘミアン・ラプソディー』

現在大ヒット中の、イギリスのバンド・クイーンを描いた映画。 バンドを描いた映画というと、だいたい才能を秘めた冴えない若者が出会って成功→成功に溺れて乱痴気騒ぎの中で自分を見失う→仲間割れ→復活、といった展開をたどるのですが、この映画もそう。展…

 『泣き虫しょったんの奇跡』

基本的に地味な映画なのですが、キャストがびっくりするほど豪華。主演の松田龍平、幼なじみかつライバルをRADWIMPSの野田洋次郎というのはともかくとして、松たか子に小林薫に、先日のNHKスペシャル「未解決事件」の国松長官狙撃事件の回で熱演を見せた國村…

 『ちいさな英雄』

スタジオポノック制作の短編映画3本をまとめたもの。「ポノック短編劇場」の1作目と銘打っているので、今後も制作していくつもりだったのかもしれないけど、休みだった一昨日の午前中に見に行ったら観客は僕を含めて6人。厳しい…。 それぞれの短編は丁寧つく…

 『未来のミライ』と『となりのトトロ』

この前の木曜に『未来のミライ』を見てきました。前評判はあまり良くなかったですが、面白く見ることができました。細田作品の中ならば『バケモノの子』よりも楽しめましたし、個人的には『サマーウォーズ』よりも好きです(『時をかける少女』と『おおかみ…

 『スターリンの葬送狂騒曲』

スターリンの死を題材にしたコメディ映画。イギリスとフランスの合作で、いかにもイギリス的なブラックな笑いに満ちた映画なのですが、素直に「楽しかった!」と言っていいのか、やや引っかかる映画でもあります。 スターリンが倒れた後、フルシチョフ、ベリ…

 『万引き家族』

是枝作品はいつもラストをどこで切るのかということを考えながら見ているのですが、今回はやや「重い」感じで切ってきましたね。『誰も知らない』は最後にややファンタジーっぽく切ったことで陰惨な内容がやや軽くなるのですが、今回は重いまま観客に投げて…

 『レディ・バード』

先日、『ウィンストン・チャーチル』を見て、同じジョー・ライト監督の『つぐない』を思い出して、そういえば『つぐない』で素晴らし存在感を見せていたシアーシャ・ローナンはどうしてるんだろ? と思っていたら、主演の映画が公開されるというので、この『…

 『タクシー運転手 約束は海を越えて』

1980年5月に、韓国・全羅南道の光州市を中心として起きた民衆蜂起である光州事件を、それを伝えようとしたドイツ人記者と、その記者を乗せて戒厳下の光州市まで運んだタクシー運転手を描いた作品。実話をもとにした作品ですけど、後半はフィクションも入って…