『誰も知らない』

 是枝裕和の『誰も知らない』を渋谷に見に行く。渋谷のアミューズは初めて行ったけど、けっこう変な映画館(イーストのほう)。形がいびつだし、奥の方の席はスクリーンの前を横切らないと行けない。トイレ近い人とかエンドロールですぐ帰りたい人は奥行っちゃダメです。
 かんじんの映画のほうはというと、これがよかった。邦画だと『ユリイカ』、『リリィ・シュシュのすべて』以来の出来じゃないかな。
 是枝裕和は『DISTANCE』しか見たことなくて、個人的には全然ダメでした。『DISTANCE』は「設定があって役者をそれっぽく撮っていればなんとかんるだろ」、みたいな弛緩した怠慢映画としか思えなかったんだけど、今回の作品はちょっとドキュメンタリーっぽいところも残しながら、役者のあり方やシーンが監督によってしっかりと構成されています。そして、何よりも子役がいい。カンヌで主演男優賞を獲った柳楽優弥はもちろんなんですが、それ以外の子役も抜群。それでその子役たちの表情の撮り方がうまい。心配された?母親のYOUもはまり役です。ストーリー的には中盤やや長さを感じるところもあるんだけど、ラスト近くの羽田のシーンと絶妙といえるラストの切り方で、しっかりと締めてくれます。ほんとラストの切り方はいい。ちょっと泣けます。
 もちろん、実際の子ども置き去り事件をモチーフとしたこの映画に対して、「描き方が甘い」という批判も可能でしょうが(実際の事件はもっと悲惨で陰惨です)、『DISTANCE』がモチーフのオウム事件との映画の力の間でまったく拮抗がとれていないのに対して、『誰も知らない』は事件とは全く離れても成り立つだけの力のある映画だと思います。

 そして…、ROSSOが復活!!11月にシングル、12月にアルバムだそうです。
 http://www.rockin-blues.com/rosso_html/profile.html

晩ご飯はトンカツとキャベツ