「新選組!」、ドン・デリーロ『コズモポリス』読了

 トヨタカップの最後のPK戦、やっぱ昨日のチャンピオンシップに比べるとみんな落ち着いて決める。この辺はやっぱ経験の差なのか?昨日の闘莉王なんかいかにも外しそうだったし。
 といってもトヨタカップを見たのは前半と延長だけで、8時からは当然「新選組!」の最終回。処刑場へと連れて行かれるときの香取慎吾はなかなかよかったけど、やっぱ脇役が目立ったドラマ。今日は捨助の最後が一番目立ったかな?捨助は最後まで生き残ると思っていただけに、あの最期は意外。土方や斎藤や永倉とかのラストシーンなんかより、ずっと目立ってた。
 今回の大河ドラマ新選組が好きなだけに、始まる前はキャスト的に不安だったけど、佐藤浩一の芹沢鴨とか堺雅人の山南とか、今までの新選組ものではあり得ないくらいかっこよく描かれていたし、当初不安だった土方役の山本耕史も途中からハマッてきたし、さらに不安だった優香や菊川怜といった女優陣はあんま出てこなくてよかった。勘定方の河合が死ぬ回とか、脚本的にもうまいとこ多かったですし、さすが三谷幸喜という感じでした。最近の大河の中では、一番面白かったですね。
 来年はタッキーの義経ということでほぼ期待値ゼロなんですが、義経を脇においといて、平家物語の中で一番かっこよい平知盛をかっこよく描きまくれば面白くなるかも?あるいは木曽義仲

 ドン・デリーロコズモポリス』を読み終わる。相変わらずこの人はすべてにおいて書きすぎ。過剰。小説全体の完成度を損なうほど饒舌に、物語は語られるし、ニューヨークの街は描写されるし、登場人物は評論家のようにしゃべる。ただ、ドンデリーロの魅力はそこなんでしょうね。グロテスクなまでに饒舌な文体というのが、ある種のリアリティを生み出したりするんだと思います。それがうまくいったのが『ホワイト・ノイズ』で、空振りだったのが『マオ2』。今回の『コズモポリス』はその中間という感じかな。ただ、2003年に書かれたニューヨークを舞台にたか作品ながら、テロについて書いていないのは、個人的に買い。映画の『25時』みたいに、「テロでわかったNYの素晴らしさ」みたいの書かれても、あんま興味ないですからね。
 ついでに個人的によかった饒舌な部分を一つ

 俺はいつでも、人々が言葉や外見で示すことに注意を払ってきた。ある人間の現実を形成するものは他人がその人に何を見たか、だ。もし他人がある人間のことを俯き加減で歩くやつだと思えば、やつは俯き加減でぎくしゃくと歩くことになる。なぜなら、それが周囲の人生におけるやつの役割になるからだ。そしてもしやつの服装が合ってないと周囲が思うのなら、やつは自分の衣装を気にしなくなる。それが周囲の連中を軽蔑する手段になるし、自分に罰を与える手段となるのだ。

ドン・デリーロ『コズモポリス』

晩ご飯は豚コンソメシチュー