ルーマン『情熱としての愛』メモ

 ルーマン『情熱としての愛』を読み始めたんだけど、いきなりルーマン節炸裂。

 愛の家庭の再帰性という形式を駆使してはじめて、愛にとっての包摂の問題や「機会の平等」の問題が解決される。愛される男や愛される女のたぐいまれな性質、つまり富や若さ、美貌や徳が愛において第一次的に重要視される限り、こうした希有な価値を高めることが目指され、その価値において愛を確証することが求められた。17世紀において有力であり、18世紀になってもまだそうであったこの見解は、まじめに受け取られるなら、解決不能な分配問題に帰着せざるをえないのであろう。というのも、たぐいまれな性質が前提とされ、実際に美しく徳深い紳士淑女がごくわずかしか存在しないのなら、いったい誰が恋愛するにふさわしい者になるのだろうか。
 (中略)
 再帰性が確保されることにより、愛するためにまた愛されるために必要とされていた諸性質はとるにたらないものになり、愛に必要とされる性質は、それぞれ歴史的-伝記的な偶然に依存するようになると言ってよい。

 ということをちょっとメモっといて『亡国のイージス