『マシニスト』

 「寒さは峠を越えるでしょう」とか天気予報で言っているけど、まだまだ寒い。昨日は高校サッカー見ながら(野洲の決勝点の起点になったサイドチェンジのパスは見事だった!)、なんとなくテレ東に回したら星座占いみたいのやってて、「星座ごとに同じ性格なんかあるか」と思いながらちょっと見てたんだけど、そうしたら蠍座は「自分や他人の心を深く知ることができるタイプ」なんだって。「ふーん」って感じだったけど、一言で表すと「I Desire」=「私は欲望する」というのを聞いて、僕が精神分析の本とか好きなのは星座のせいか、って一瞬思った。

 今日はDVDで『マシニスト』見た。クリスチャン・ベールが30キロも減量した作品で。クリスチャン・ベールのやせっぷりは確かにすごい。ただ、その熱演がいまいち活かされていないというか、アイディアが少し足りないというか、そんな作品。
 ちょっと無機的な画面とかはヴィンチェンゾ・ナタリの『カンパニー・マン』とかを思い出すけど、混乱する記憶とか、意味深なメモとか、解離的なテーマとかは『メメント』に似てる。ただ、『メメント』のような鮮やかなアイディアはない(主人公が不眠というのはクリストファー・ノーランの『インソムニア』と同じ)。また、解離がテーマというと『ファイト・クラブ』もあるけど、ああいうラストが破綻しながらも有無を言わさないような説得力ってのもない。
 テーマという作風といい、いかにも「今」の流れにある作品だけど、少し物足りなさがあるかな。