名作再訪『アラビアのロレンス』 

 今日は出かけた関係でJリーグヴァンフォーレ甲府川崎フロンターレの前半を見たのみ。でも、甲府はかなりよかった。バレー頼みかと思ってたけど、バレーとともに3トップを組む長谷川と宇留野、特に長谷川の運動量が素晴らしくて川崎の3バックが全然つかまえきれてなかった。あと、両サイドバックの上がりも積極的でよい。パスの回し方はちょっと野洲高校みたい。逆に川崎は1ボランチのぶん、すこしデフェンスラインと中盤の間にスペースが出来ちゃってる。

 最近、『風と共に去りぬ』、『カサブランカ』と名作をビデオで見直すシリーズをやってるんだけど、今回は『アラビアのロレンス』。
 『風と共に去りぬ』、『カサブランカ』は明らかに役者の映画だけど、この『アラビアのロレンス』は監督デビット・リーンの映画。素晴らしい砂漠のショットをはじめとして画的にはかなり凝ってる(この凝りようってのは同じイギリス人監督のキューブリックとか最近だとリドリー・スコットとかに共通するものだと思う)。特にロレンスが砂漠で脱落したガシムを助けて戻ってきたシーンとかは、砂漠の向こうに浮かび上がるロレンスの黒い影、そして従者がロレンスのもとに駆けっていって感動の再会をちょっと不感気味で取るショットと完璧な出来。
 それ以外でも、勇ましい音楽の鳴り響く前半から、音楽が消えロレンスの混乱と少し壊れた面が描かれる後半の対比、バイク事故のオープニングではじまり、砂漠でロレンスの乗った車がオートバイに抜かれたところで終わるというスタイリッシュな構成など、さすがと言える映画。主演のピーター・オトゥールもナイーブでロマンチストでありながらエキセントリックで少しイカれたT・E・ロレンスをうまく演じていると思う。まあ、テレビの小さい画面で見ると少し長く感じるけど、名作再訪シリーズ?で見た中では一番の映画だと思う。

 一応、『カサブランカ』についてもちょっと。
 これは完全なハンフリー・ボガートイングリット・バーグマンの映画。カッコつけたボガートでさえ情けなく見えたりするイングリット・バーグマンの美しさ、でも最後の最後でボガートが見事にカッコつける。まあ、そんな映画です。あとは2次大戦下のカサブランカっていう舞台が効いてます。ドイツの占領下的状況でフランス国歌を歌うシーンとかも、けっこう高揚させられる。