村上春樹はノーベル賞を取るんだろうか?

 村上春樹氏、ノーベル賞有力?
 http://www.nikkansports.com/general/p-gn-tp0-20060324-10690.html

  チェコフランツ・カフカ協会は23日までに、文学賞フランツ・カフカ賞」を村上春樹氏(57)に贈ることを決定した。プラハ出身の作家カフカにちなんだ賞で、村上氏の作品が約20カ国の言語に翻訳されミリオンセラーとなった実績などが評価された。この賞を受賞した作家は最近2年連続でその年のノーベル文学賞に輝いている。現地紙では早くも、村上氏を今年のノーベル賞の有力候補に挙げている。

 「フランツ・カフカ賞」は01年に創設され今年が6回目と歴史は浅いが、世界的に重みのある賞として位置付けられている。04年受賞者のオーストリア女性作家エルフリーデ・イェリネク氏、05年受賞者の英劇作家ハロルド・ピンター氏は、それぞれその年のノーベル文学賞に輝いている。

 チェコ経済紙ホスポダージュスケー・ノビニは、早くも「村上氏は(ノーベル文学賞授賞式の行われる)スウェーデン行きのエアチケットを手配しなければいけないだろう」と伝えた。

  
 まあ、日本人でノーベル文学賞取るとしたら村上春樹しかいないでしょ。ただ、ノーベル文学賞ってのも微妙な賞で、他のノーベル賞が科学の重要な進歩に貢献した人が選ばれているのに対して、文学賞は「文学の進歩」とかはまったく考慮されていないっぽい。
 1968年の川端康成以降のノーベル文学賞はこんな感じ

1968年 川端康成
1969年 サミュエル・ベケット
1970年 アレクサンドル・ソルジェニーツィン
1971年 パブロ・ネルーダ
1972年 ハインリヒ・ベル
1973年 パトリック・ホワイト
1974年 E・ユーンソン
1974年 H・マルティン
1975年 E・モンターレ
1976年 ソール・ベロー
1977年 V・アレイクサンドレ
1978年 アイザック・バシェヴィス・シンガー
1979年 オデッセアス・エリティス
1980年 C・ミウォシュ
1981年 エリアス・カネッティ
1982年 ガブリエル・ガルシア=マルケス
1983年 ウィリアム・ゴールディング
1984年 J・サイフェルト
1985年 クロード・シモン
1986年 ウォーレ・ショインカ
1987年 ヨシフ・ブロツキー
1988年 N・マハフーズ
1989年 カミーロ・ホセ・セラ
1990年 オクタビオ・パス
1991年 ナディン・ゴーディマー
1992年 デレック・ウォルコット
1993年 トニ・モリソン
1994年 大江健三郎
1995年 シェイマス・ヒーニー
1996年 ヴィスワバ・シンボルスカ
1997年 ダリオ・フォ
1998年 ジョゼ・サラマーゴ
1999年 ギュンター・グラス
2000年 高行健
2001年 V・S・ナイポール
2002年 ケルテース・イムレ
2003年 ジョン・クッツェー
2004年 エルフリーデ・イェリネク
2005年 ハロルド・ピンター

 この中で文学史の中で革新的とも言えるのって、1982年のガルシア・マルケスくらいじゃない?(V・S・ナイポールあたりも入れていいかもしれませんが未読なんで)
 だいたいノーベル経済学賞アメリカ人しか取らないくせに、文学賞でのアメリカ作家の冷遇されてる気がする(ベローとかトニ・モリソンとかいるけど)。普通に考えれば、ピンチョンでしょ。ただ、ピンチョンは賞をあげても出てきてくれないかも知れないし、講演とかもしてくれないかもしれない。とすると、ジョン・アーヴィングあたりか(でもアーヴィングじゃ革新的でもないか)。
 あと、スタニスワフ・レムとかもありだと思うんだけど、やはりSFじゃ無理か…。でも、レムはもはやSF作家の範疇を越えてるし、早くあげないと死んじゃうかもよ。
 ちなみに村上春樹に取りそうな予感があるのは、じつは村上春樹川端康成ってどこかしら似ていると思うから。最近、村上春樹三島由紀夫の関係を書いた新書が出てたけど、川端康成のほうが似てる。「眠れる美女」とか「片腕」とかの話って、村上春樹が長編で使いそうなエピソードな気がする。

晩ご飯は野菜炒めとトマト