ちょっと考えてみたノーベル文学賞を取るべき人

 昨日、村上春樹ノーベル文学賞有力?ってニュースをネタにして過去のノーベル文学賞の一覧を紹介したけど、改めてノーベル文学賞を取るべき人について。
 昨日も書いたけど、まずはスタニスワフ・レム。『ソラリス』というSF史上の傑作を書いただけでなく、『完全なる真空』とか『虚数』とか実験的な作品も手がけていて、文学の可能性を切り開いたと言える一人。ボルヘスに与え損なったという失態を少しでもカバーするためにはレムにあげるしかないでしょ。1921年生まれで現在85?早くあげないとヤバいって。
 次は辞退確率80%という感じだけど、ピンチョン。19世紀の巨人たちが去った小説の世界においてやっぱピンチョンの存在は欠かせないでしょ。必ずしも彼の作品が傑作ぞろいとは言えないけど、『重力の虹』の帯で高橋源一郎が書いている「「偉大であることが可能であった時代の最後の作品」なのか、「未知の世界を告げる最初で最大の作品なのか」ってコピーはまさにその通りだと思う。辞退覚悟であげるべき。
 これ以降は、取っても取らなくてもって感じだけど、マイケル・オンダーチェなんかどうだろ?詩と小説の間にあるような彼の独特の文章は素晴らしいし、『イギリス人の患者』(映画『イングリッシュ・ペイシェント』の原作)って世界的に有名な作品もあるし(もっとも小説としては『アニルの亡霊』や『バディ・ボールデンを覚えているか』のほうが全然いいですけど)、スリランカ生まれのカナダ人っていう、ちょっとノーベル賞がすきそうなプロフィールでもあるし。
 あとは、バルガス・リョサなんかももらっておかしくないけど、ちょっと政治に首つっこみすぎたか。同じ南米勢ならホセ・ドノーソ、って思ったけど、死んじゃってるみたい…。知名度的にはいまいちだと思うけど、大長編の『夜のみだらな鳥』といい、短編集の『3つのブルジョアの物語』といい、すごい小説。
 その次のグループで村上春樹とか??