『クラッシュ』

 昨日の夜ちょっと風邪っぽくなったんだけど、今日の朝はまあ良い感じだったので、新宿に『クラッシュ』を見に行った。
  ロサンゼルスを舞台に、人種同士のいさかいや葛藤とかを描いた非常にうまい映画。群像劇だけど、登場人物のかき分けも見事だし、演じている役者もそれぞれ個性的、伏線をうまく張った脚本もうまい(特に妖精のマントの所とか)。

 「触れ合いだよ。街中を歩けば、人と体が触れたり、ぶつかったり する。でもロスじゃ、触れ合いは皆無。人々は金属やガラスの後ろに隠れている。 みんな触れ合いたいのさ。衝突し合い、何かを実感したいんだ」

 という最初のセリフにすべてが凝縮されていると思うんだけど、衝突(クラッシュ)して初めて交わる人種を越えた人と人、そして気づかされる人種や階層を越えた人間性。そんなテーマを非常にうまく描いてます。まあ、うますぎて優等生的な映画ではありますけど。
 あと、こうした群像劇だとラストでどう登場人物に結末を付けるかというのがあって、『マグノリア』なんかだと、変えるを空から降らせるという大技を使ったけど、この映画にはそういった大アクシデントはない。そのぶん、ラストはやや冗長に感じなくもない。
 でも、とにかく役者と脚本はいいのでアカデミー賞というのも納得。逆に、映像的に平凡な画面が多いので監督賞を逃したというのも納得です。

晩ご飯は肉がハンバーグのビーフシチュー