名作再訪『戦場にかける橋』

 この前見た『アラビアのロレンス』がよかったんで、同じデビッド・リーン監督の『戦場にかける橋』を見た。これもむかしにちょっとだけ見た記憶があるんだけど、これもいいね。今の時代にはウケないと思うし、批評的文脈でも否定されちゃいそうだけど(美談として描かれ過ぎ、捕虜以上に犠牲者がでた現地の人が描かれていない、日本兵は愚かに描かれているけど犯罪行為は隠蔽されている、など)、それでもこれは力のあるいい映画だと思う。
 基本的に「プロジェクトX・イギリス版」みたいな話で、イギリス・マンセー映画。でも、戦場においてもプライドを失わない誇り高きイギリス人の努力が、見事に実を結んだと同時に失われてしまうというラストは、皮肉を通り越して何とも言えない”かなしさ”に襲われる。このときの爆破された橋を映す引きの映像も見事ですしね。
 『アラビアのロレンス』もそうなんだけど、イギリス人を持ち上げつつも結局はイギリス人がある意味破れさる映画ということで、この二つの映画は共通していると思う。世界中を植民地にしたイギリス人の歴史っていうのは、もちろん正しくないものかもしれないけど、それでもやっぱり、そういった中で歴史に飲み込まれていくイギリス人(この映画のニコルソン大佐)の姿には心を揺さぶるものがある。
 映像面ではさすがに『アラビアのロレンス』ほどでもないけど、手榴弾ともにジャングルの鳥が一斉に飛び立つシーンとかは見事。音楽も妙に明るいマーチがうまく映画を盛り上げてます。(♪サル ゴリラ チンパンジー♪の曲なんだけど、この替え歌っていつからあるんだろ?)

晩ご飯はナスとピーマンと豚肉の炒め物とトマト