『花よりもなほ』

 今日は行事の関係で学校が休みだったんで、新宿で『花よりもなほ』を見てきた。
 是枝裕和はむかしはそんなに好きじゃなかったけど、前作の『誰も知らない』はほんとによかった。で、「あそこまではないだろうな。」と思って見に行った映画で、やっぱり『誰も知らない』のようなインパクトの強さはなかったけど、これはこれで楽しい映画だった。
 仇討ちをテーマにした時代劇だけど、主人公の岡田准一は剣術がからっきしダメ。そして古田新太とか香川照之とか上島竜平とかが暮らす貧乏長屋に住んで仇討ちの相手を捜しているという設定。役者を見れば想像つくと思うけど、けっこうコメディのような部分も大きいです。実際、笑えますし。
 さらに長屋には子どものいる未亡人の宮沢りえも住んでいて、岡田准一が密かに想いを寄せるというのもこれまたわかりやすい設定。
 こんなふうに今までフィクションとノンフィクションの中間のような映画を作ってきた是枝監督にしては、いたって普通の映画。カット割りのテンポも比較的早いですし、演技もそれぞれの役者がけっこうちゃんとしてます。
 ただ、相変わらず子どもの使い方はうまいですし、忠臣蔵のエピソードを練り込んだ脚本も悪くないと思います。まあ、傑作というほどではないですが、見れば楽しめる映画だと思います。
 ラストはちょっと『誰も知らない』みたいで、いいシーンです。