村上春樹『アフターダーク』読了

 昨日は中学の剣道の試合で、今日は学校の運動会。すっかりスポーツの秋的な日程。
 でも、中学の剣道の試合のほうは、ついに団体戦でも初勝利を挙げたし、ひとりは個人戦でベスト8までいくしで非常に調子良かったですね。

 村上春樹の『アフターダーク』を読み終わったけど、これはドン・デリーロの『コズモポリス』じゃん!
 というふうに、メジャーな作品をマイナーな作品を使って紹介しても仕方がないですが、今度文庫になった『アフターダーク』を読んでみての第一印象はこれ。村上春樹がデリーロの『コズモポリス』を読んで、同じような小説を書いてみたいと思ったのは間違いないと見た。
 
 『コズモポリス』はニューヨークの街をリムジンで移動しながら各国の相場で投機をし成功し続けていたエリックの一日を追いながらデリーロならではの過剰なまでの文体で現代のアメリカ、そしてニューヨークという都市を描こうとした小説なんだけど、この『アフターダーク』も村上春樹にしてはずいぶんと過剰な文体で、東京という都市を描こうとしている。「デニーズ」とか「セブンイレブン」とか「相田みつを」なんて今までの村上春樹では登場しなかった単語じゃないかな?(この辺りの過剰感は今までの村上春樹になかったものなんで、少し違和感を感じる人もいるでしょう。ただ、本家のデリーロはもっと過剰、書きすぎ、しゃべりすぎ。)
 もちろん、登場人物は相変わらず村上春樹的だし、浅井エリの眠りのエピソードなんかも村上春樹的世界のエピソードだけど、それでもこれまでとは違ったタイプの小説を書いてみようとした小説なんだな、と思います。

アフターダーク
村上 春樹
406275519X


コズモポリス
ドン・デリーロ
4105418041


晩ご飯は麻婆豆腐とキュウリ