『リトル・ミス・サンシャイン』

 見よう見ようと思っていて見に行ってなかった『リトル・ミス・サンシャイン』を渋谷のシネクイントに見に行ってきたけど、これはすっごい面白くて笑える映画。
 とにかく脚本がよくできている。
 ミスコンに出る7歳の女の子に、「勝ち馬になるための9段階の法則」とかいう自己啓発本を売り込もうとしているダメおやじ、まあ家族の中では比較的まともな母親、ニーチェ好きで一言もしゃべらない長男、ヤク中でエロいおじいちゃん、母親の兄で自殺未遂を起こしたプルースト研究家でゲイの男という5人が、ミスコンに出るために車で海上に向かうというロードムービー
 登場人物をこうやって書いていくと、ありえないような濃い人物たちが織りなすドタバタ劇という感じで、実際にそんな部分も多くやや濃すぎる面がなくはないけど、くどくない演出と、ちょっと太めの女の子のかわいさがそれを救っている。
 買ってきたチキンとサラダとスプライトというものすごいジャンクフードな家族の夕食とか、子供のミスコンの何かどうしようもなく下品と言うか痛々しい感じも描いていて、ある種アメリカの暗部をとり出していると言えなくもないんだけど、それにもかかわらず見終わったあとに「いい話だった」と思える映画。
 『アメリカン・ビューティー』のような深さはないので、アカデミー作品賞はどうかな?とは思いますが、脚本賞くらいなら獲るかもしれませんね。

晩ご飯は豆乳鍋→おじや