フジにDamien Rice!これは行くしかない。今までぜんぜん漲ってこなかったフジロックだけど、いきなり漲ってきた!
イアン・ハッキング『何が社会的に構成されるのか』を読了。『言語はなぜ哲学の問題になるのか』、『記憶を書きかえる』などの著者として有名なイアン・ハッキングが社会構成主義について分析した本。
冒頭がいきなり「社会的構成物のアルファベット順リスト」なるものからはじまり、巷では「義兄弟」から「子供のテレビ視聴者」、「連続殺人者」、「クォーク」、「ズールー族のナショナリズム」にいたるものが「社会的構成物」として扱われていることが示されます。
ハッキングはこうした「構成物」の氾濫にややうんざりしていうようでありながら、実は社会的構成主義にある程度は肩入れしているという微妙なスタンス。特に自然科学における構成主義について扱った第3章では、前半でピカリングの『クォークを構成する』に対して厳しい評価をしているようで、後半になると構成主義的考えにもかなり理解を示し、中庸的な判断に落ち着くような形になっています。
語り口は平易で読みやすいですが、著者の立場は結構微妙。特にこの邦訳は原書の6章から8章が完全にカットされており、それもあって読後感は少し煮え切れない部分もある。後半がなくても十分だと判断したのでしょうけど、訳者の解説ででもいいから後半部分のフォローも欲しい。
何が社会的に構成されるのか
イアン・ハッキング 出口 康夫 久米 暁
晩ご飯は餃子とトマト