参院の与野党逆転は憲法改正の突破口になるか?

 今回の参議院選挙、年金問題をどうでもいいと思っている身としてはぜんぜん盛り上がらない選挙。
 安倍首相も好きじゃないけど、小沢一郎はそれ以上に最悪。かといって消極的自由を愛する身としては共産や社民に入れるのも気が引ける…。
 それにしても丸川珠代のキャッチコピーの「日本人でよかった!」って、お米かなんかの宣伝じゃないんだから…。

 ただ、選挙報道などを見ると参議院での与野党逆転は確実のようで、与党に取っては参院戦後の厳しい国会運営が予想されます。
 しかし、与党は衆議院で3分の2以上の議席を握っているわけで、野党やマスコミの批判い耐えて、それこそ「粛々と」(この言葉って政治の世界でいつから流行ってるんだろうか?)衆議院で法案を可決して行くことも可能。
 実際、参議院の政党化が進んでいなかった1940年代後半から1950年代前半にかけては、参議院で否決された法律案が衆議院で3分の2以上の多数で議決された例がけっこう見られます。
 参考(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%86%E8%AD%B0%E9%99%A2%E3%81%AE%E5%84%AA%E8%B6%8A

 
 一部からは、「参議院が野党に握られれば法案が全部ストップしてしまう」という発言もありますが、「衆院可決案の受領後60日以内に参院が議決しない場合、衆院参院が法案を否決したとみなすことができる。」という規定が憲法第59条にあることから、時間はかかるとしても、衆議院の3分の2の多数で法案を成立させて行くことは可能です。
 
 そこで、野党が参院で抵抗し与党が衆院の再議決で法律を成立させて行った場合どうなるか?ということを考えると、与野党の不毛な争いに対して出てきそうなのが参議院の改革論です。抵抗するだけで、結局は衆院に押し切られてしまう参院に対して、参院の独自の権限などを模索する動きが出てくるのは確実でしょう。
 そうなると、参院改革というのがタイムリーな課題として浮上します。そして参院の改革には憲法の改正が必要です。
 現在の憲法改正論議では、どうしても9条以外は「今やらなければ」という問題ではなく(9条についても個人的にはそれほど緊急性があるとは思えませんが)、どういう改正論議をした所で結局は「9条是か否か」のようになってしまいがちですが、参議院の問題がクローズアップされれば、9条以外のことで憲法改正が政治のタイムスケジュールに入ってくることが考えられます。
 
 ということで、安倍首相の掲げる憲法改正も、9条改正などを盛り込めるかは別にしても、可能性が高まってくると言えるのではないでしょうか?
 ただ、自民が参院で多数派工作をして成功してしまえばそれまでですし、反発を恐れて野党と妥協するようになってもダメです。そしてなんといっても安倍首相にとっては、参院選の敗北の責任で退陣せずに済むことが一番重要です。

 * 個人的には安倍首相には退陣してほしいですが…。


晩ご飯は牛肉とキャベツとピーマンのオイスターソース炒め