文化の国から宮刑復活?

 以前、死刑についてのエントリー(http://d.hatena.ne.jp/morningrain/20061230)で、奈良県の女児殺害事件における小林被告への死刑判決に関して、

 だいたい、このように死刑が普通の刑罰になってしまうのなら、性犯罪者への宮刑を復活させたほうがいいんじゃないでしょうか?

と書きましたが、 ひょっとしたらフランスでそれが現実化するかもしれません。

http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/europe/news/20070821k0000e030015000c.html

幼児性愛犯罪:「投薬去勢」も視野に規制強化…仏大統領

 【パリ福井聡】フランスのサルコジ大統領は20日、幼児性愛犯罪者への「投薬による去勢」なども視野に入れた性犯罪の再発防止法を制定すると表明した。刑期を終えたばかりの幼児性愛者が5歳の男児を連れ回し、レイプするというショッキングな事件を受けた措置で、議論を呼びそうだ。

 警察によると、幼児へのレイプなどの罪で禁固27年の判決を受けた男(61)が、刑期が短縮され18年後の今年7月に刑務所を出た直後、仏北部で男児を連れ去り、自宅車庫でレイプした。出所前に刑務所の医師からぼっき不全治療薬バイアグラの処方を受け、服用していた。医師は男の罪名を知らされていなかったという。

 サルコジ大統領は20日、性犯罪対策に関する関係閣僚会議を開催。その後の記者会見で「幼児性愛者など、子供の生命を奪いかねない病の人々を自由にさせることはできない」と述べ、出所前に幼児に危険を及ぼさないか再検査し、危険ありと判断した場合は、09年に開院予定の専門病院に入院させる法律を制定する考えを示した。

 また、本人が同意すれば「ホルモン剤の投入による化学的な去勢」も行うべきだと語った。

 サルコジ大統領は強硬な犯罪対策論者として知られており、先の大統領選挙戦中も幼児性愛者などについて「生まれつきの性癖。(10代の自殺者も)生来の悲観性から自滅しやすい」と優生思想を展開し、心理学者らから批判を浴びた。

毎日新聞 2007年8月21日 10時55分 (最終更新時間 8月21日 11時03分)

 あくまでも「本人が同意すれば」と書いてはありますが、もしこの治療を受けるか受けないかが情状の大きなポイントになるようであれば、この「化学的な去勢」というのが新たな刑罰になりかねません。
 この考えには批判も多いでしょうし、実現するかどうかはわかりませんが、例えばフランスで導入されれば、日本でも死刑回避のためにこの「化学的な去勢」を自ら望む被告とかも出てくるかもしれませんし、行方の気になるニュースです。

 それにしても、下の樫村愛子もそうだけど、フランスを比較に出して小泉や安倍とか、あるいは英米ネオリベラリズムを批判してきた人にとってサルコジの当選というのはどうなんでしょうね?
 アメリカも日本もフランスも、ふつうの人が考えていることってけっこう同じってことなのか…?