一応、渡海紀三朗新文部科学大臣をチェック

 ほとんど変化のなかった福田新内閣で、幹事長になった伊吹氏に代わって文部科学大臣になったのが渡海紀三朗氏。「大臣候補に挙がりながらなかなか大臣になれなかった人」との印象しかなかったんですが、どんな人なのかちょっとだけ調べてみました。

渡海紀三朗オンライン
http://www.kisaburo.net/top.html
を見てみると、「政治理念」というのがあって、教育についても述べられています。

21世紀を担う人材の育成
若者による痛ましい事件の数々は、人を育てるとは何かを改めて問いかけています。自らの行動を律する健全な”ごころ”の形成をめざし、学校のみならず社会全体による育成システムを構築します。また、21世紀の先進国にふさわしい多種多様な人材を世界に供給していくため、青少年が、夢を持って、自らの可能性にチャレンジできる教育環境の形成を進めます。

 うーん、非常にありきたりというか普通ですね。
 「健全な”ごころ”」とかいう表現が気にならなくはないですが、ホームページの他の部分を見ても、科学技術の振興とかには熱心でも、教育にはそれほど熱心ではなさそうです。

 その証拠に「日々思うことの」の安倍総裁が誕生した2006年の自民総裁選に関する記述でも、

私は今回の総裁選で候補者となる人が明確に打ち出すべき主張・施策は次の2点であると考えます。

 第1点はギクシャクしたままのアジア、とりわけ中国・韓国との外交にどのような方針を持って望むか。
 第2点は私が今もっとも力を注いでいる歳出改革(ODA、防衛、教育、科学技術など聖域を設けずあらゆる分野を見直す)に関連して、財政の立て直しを如何に進めるかの具体的な方針とタイムスケジュールを示すことであります。

と書いており、教育問題はスルー。
 ちなみに結局、谷垣禎一に投票したみたいですね。

 さらには派閥のボスである山崎拓は、なぜか年々ハト派になっておりまして、沖縄戦についての教科書検定を見直すように要求したりしています。
 http://www.chunichi.co.jp/s/article/2007092801000854.html

文科相に見直し要請の意向 「集団自決」検定で山崎氏

2007年9月28日 22時21分

 自民党山崎拓前副総裁は28日、沖縄戦で日本軍が「集団自決」を強制したとの記述が削除された教科書検定問題で、自派閥出身の渡海紀三朗文科相に対し、省令に基づき検定見直し申請を勧告するよう要請する意向を明らかにした。沖縄県宜野湾市で開かれた地元選出国会議員のパーティーで述べた。

 山崎氏は「沖縄県民が第2次世界大戦で最も大きな犠牲を払った。その犠牲の上に今日の日本の再建と発展があったということを十分考慮した措置が必要だ」と指摘。

 教科書検定に過誤があったと認められた場合に文科相が検定を見直す申請を勧告できるという省令に触れ、「勧告に関して沖縄選出の国会議員とよく協議した上で、渡海文科相とも十分話し合っていきたい」と述べた。

 宜野湾市では29日午後、検定意見の撤回を求める超党派の大規模な沖縄県民大会が予定されている。

 さらには教育再生会議(一応存続したみたい)が打ち出した、教育バウチャー制度をあっさり否定。
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2007092601000727.html

バウチャー無用と文科相 「市場原理なじまない」

2007年9月26日 19時55分

 渡海紀三朗文部科学相は26日、初閣議後の記者会見で、政府の教育再生会議が導入を検討している教育バウチャー(利用券)制度について「いらないと思う」と述べた。

 その後の報道各社とのインタビューで「市場原理の導入は教育にはなじまない」とも話し、競争原理を採り入れる姿勢を鮮明にしていた安倍晋三前首相の教育改革とは一定の距離を置く考えを示した。

 バウチャー制度について渡海文科相は「子どもたちが等しく義務教育を受ける機会が与えられるのかどうか、地域的な問題が解けないという思いがある。面白そうだとかいう考え方だけではどうかと思う」と指摘した。

 さらに、安倍教育改革を基本的には引き継ぐとしながらも「市場原理は基本的に持ち込むべきではない。導入すると社会にひずみが起こり、格差が生じる」と、持論を述べた。

 ほぼ安倍政権の教育改革論議とか「美しい国」的な教育とは縁遠い感じです。

 まあ、基本的に無害そうかと。
 たぶん教育改革は政治主導から中教審主導に変わっていくんでしょう。
 それでいいと思いますけど。


晩ご飯は麻婆豆腐とキュウイ