私家版・世界十大小説

 ここ数日、はてな界隈で「私家版・世界十大小説」ってのが流行っていて、
 http://d.hatena.ne.jp/idiotape/20071020/1192873365
 のエントリーなんかを中心にいろいろと集まってる。
 だいたいこういうのはみなさんのを眺めて終わりなんだけど、
 今回は愛・蔵太氏が http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20071024/juudai で、
 その中の1冊にドノソの『夜のみだらな鳥』をあげているので、この知られざる傑作をプッシュするためにも自分でも選んでみることにしました。


・ ドストエフスキーカラマーゾフの兄弟
・ フォークナー『響きと怒り
・ ピンチョン『重力の虹
・ カフカ『城』
・ ホセ・ドノソ『夜のみだらな鳥』
・ カミュ『異邦人』
・ レム『ソラリスの陽のもとに』
・ サリンジャーライ麦畑で捕まえて』
・ ガルシア・マルケス百年の孤独
・ スティーヴ・エリクソン『黒い時計の旅』


 上の6つくらいはすぐに出てきましたけど、そのあとはやっぱり悩みますね。
 『カラマーゾフの兄弟』は「世界ナンバー1小説」ということでいいんじゃないかという小説。
 『響きと怒り』は肥大化した意識の流れに圧倒される小説。
 『重力の虹』はとにかくすべてを詰め込んだ点がすごい!結局、今なお多くの小説がピンチョンの縮小再生産だったりしますからね。ただ、初めてピンチョンを読むなら『競売ナンバー49の叫び』を薦めます。
 カフカも外せないけど、カフカだと『城』かな。
 『夜のみだらな鳥』は隠れた傑作というか問題作。金持ちが自らの奇形の子どものために奇形の人間を集めて奇形の王国をつくるというすごい話しなんですが、私見では『百年の孤独』を越えるラテンアメリカ文学の傑作だと思います。
 カミュの『異邦人』は、不条理とかそういうことを飛び越えて倫理的な問題を考える上で古典
 『ソラリスの陽のもとに』はSFならってことで、ディックの本も捨て難いけど文学的な完成度でいうとレムですかね。 
 『ライ麦畑で捕まえて』は小説としての完成度だと、同じアメリカ文学なら『グレート・ギャッツビー』なんかをあげるべきでしょうが、ライ麦畑のエピソードはこれからの末永く残っていくだろうということで。
 ドノソを入れたので、マルケスを落とそうかと思ったけど、やっぱり『百年の孤独』は外せないかな。
 そして、最後は最近のものってのと個人的な趣味でエリクソンの『黒い時計の旅』。ものすごい勢いで歴史を書き換えてみせる作品です。ここはオンダーチェの『アニルの亡霊』と迷いました。

 
 こんな感じですが、僕はプルーストの『失われたときを求めて』とジョイスの『ユリシーズ』を読んでいないので、ちゃんと読んでる人はこのあたりが入ってくるのかもしれません。
 あと,日本人は夏目漱石『こころ』、村上春樹ねじまき鳥クロニクル』あたりを入れようかとも思ったのですが、「文学的な挑戦」とかいう点からすると,こういう所には入らない気も。

 
晩ご飯は豚ロースのガーリック焼きトマトソースがけ