『ボーン・アルティメイタム』

 10月の初めまでけっこう映画見にいってたんだけど、最近は忙しくて久々の映画。『ボーン・アルティメイタム』見てきました。
 前作の『ボーン・スプレマシー』は個人的にここ最近のアクション映画でもっともよく出来てるって思う映画。とにかく、行動→行動→行動の、無駄のない映画で、「これこそスパイ!」って思わせる(ちなみに007の『カジノロワイヤル』もけっこういい出来。ポーカーのシーンがもっと面白かったら傑作だった)。

 で、今作なんだけど、監督が前作に引き続いてポール・グリーングラスってことで前作並に面白い!
 前作はヒロインを最初に殺しちゃったことによって、映画から「感動」とか「ラブロマンス」とかを排除してすごく緊迫感のある映画になったんだけど、今作も途中に出てくるヒロインっぽい人を引っ張らずに、ボーンの独り舞台にしたところが大正解。
 ロンドンの駅でのCIAとの攻防から、モロッコでの殺し屋との格闘、ニューヨークでのカーチェイスと、とにかく異常なまでの手際の良さで危機を乗り切るボーンの行動がとにかく映画を引っ張る。

 特にロンドンのウォータールー駅での攻防は、エシュロンでの新聞記者の通話の傍受から始まり、携帯電話や監視カメラを存分につかった情報戦でもあり見応え十分。
 『ミッションインポシブル』あたりから、スパイ映画は単なるアクションだけじゃなくて、テクノロジーをふんだんに使った情報戦の側面を見せるようになったけど、そんな中でもこの映画のこのシーンはよく出来ていると思います。
 そして、この映画でそうしたテクノロジーを邪魔するのが駅の雑踏の人々だったり、通報に駆けつける警察官だったりするのがまた面白いところ。
 人間の存在こそが最後のノイズなのかもしれませんね。

 それにしても、このシリーズに『ユナイテッド93』に『ブラディ・サンデー』とポール・グリーングラスの映画には外れがない。


晩ご飯は豚コンソメシチュー