文化って何?→ジジェクの答え

 学習指導要領の改定案の要旨が出ましたけど、自分が関係する中学の社会科だと公民の内容が微妙。
 http://www.chugoku-np.co.jp/NewsPack/CN2008021501000623_Detail.html

 【社会】

 〈地理的分野〉世界の諸地域の特色について主題を設け追究。日本の諸地域について自然環境、歴史的環境、産業、生活・文化などの考察を通じて特色をとらえさせる。

 〈歴史的分野〉歴史的事象に対する関心を高め、わが国の歴史の大きな流れを理解させる。学習した内容を活用して、その時代を大観し表現する活動を通して各時代の特色をとらえさせる。

 〈公民的分野〉

 現代社会における文化の意義や影響を理解させるとともに、わが国の伝統と文化に関心を持たせる。裁判員制度に触れる。国際社会での文化や宗教の多様性に触れる。指導に当たっては教育基本法14条(政治教育)、15条(宗教教育)の規定に基づき、特に慎重に配慮。

 ここでいう「文化」って何なんでしょうね?
 公民の時間にサブカルチャー解析とかをやっていいんなら、それはそれで楽しそうなんですが、「わが国の伝統と文化」っていうふうに使われているってことは歌舞伎とか節句とかお祭りとかなんでしょうね。
 でも、それを公民って教科でどう教えるんでしょう?
 憲法とかにも「伝統文化を愛する心」見たいのを盛り込もうとする人がいるけど、そこで指し示されている「文化」って何なんだろうっていっつも思う。
 
 で、そんな中でジジェクの『ラカンはこう読め!』を読んでいたら、面白い文化の定義を見つけました。

 「本気で信じてはいない。たんに私の文化の一部なのだ」というのが、われわれの時代の特徴である。遠ざけられた信仰の一般的な姿勢であろう。「文化」とは、われわれが本気で信じず、真剣に考えずに実践していることすべてを指す名称である。だからこそわれわれは原理主義的な信者たちを、本気で信じている「野蛮人」だ、反文化的だ、文化への脅威だとして軽蔑するのだ。(60p)

 これは「その通り!」って感じで、確かにこうした意味での「文化」なら、「原理主義者」というテロリストがいるとされる国際社会を斜めから見るために必要な概念かも。

ラカンはこう読め!
スラヴォイ・ジジェク 鈴木 晶
4314010363