Tilly & The Wall/O

 素人っぽさが魅力のバンドがキャリアを積み重ねていくってのは、とっても難しいことだと思うんですが、このTilly & The Wallの3枚目も、そういった面を強く感じてしまいましたね。
 1曲目の"Tall Tall Grass"は弾き語りっぽいようなスローテンポの曲で、Tilly & The Wallのメロディメーカーとしてのよさも充分に活きていて、「お!」って思わせるんだけど、やっぱTilly & The Wallならではのハジける曲がないと物足りない…。
 あの、素人が文化祭で始めているような躍動感がないんですよね。
 前作との比較でいうと、"Bad Education"の延長線上の曲はあるけど、"Sing Songs Along"のような曲がない感じ。
 一番の特徴であるタップダンスによるリズムもちょっと控えめになって後ろに隠れちゃった感じです。サマソニでのライブなんかを見る限り、確かに全曲タップダンスでリズムを刻みつづけるのは体力的にも技術的にも辛そうだったけど、やっぱり寂しいものがある。
 まあ、メロディにはいいものがあるので、そこそこいいアルバムではあるんですが、このブログで2006年のベスト1・アルバムに挙げた前作のような勢いはないですね。


O
Tilly and the Wall
B0017V7HCK