デトロイト出身のCasimer Pascal率いるバンドがこのPas/Cal。
今まで何枚かEPをリリースしているのですが、アルバムとしてはこれがデビューアルバムです。
音楽的には60年代とか70年代のロックやポップスをうまく取り入れたインディー的で職人的なポップスで、アメリカには比較的多いタイプではあります。
そんな中でもこのPas/Calの特徴は次々と変化していく曲の表情の多様さとでも言いましょうか。とにかく一つの曲に目まぐるしさを感じるほどのアイディアと変化が詰まっていて、ポップスのキラキラした断面を次から次に見せられる感じです。
変化が激しすぎてややメロディが埋没してしまう点もあるのですが、"O My Cherry (Suite Cherry pt. 3)"や"You Were Too Old For Me"なんかはメロディの良さも十分に楽しめますし、全体にひねった音楽センスが咲き誇っているようなアルバムです。