『ウォッチメン』

 今日は吉祥寺のバウスシアターで『ウォッチメン』を見た。
 バウスシアターは月曜は男性が1000円で見れるメンズデーというのがある。憲法14条の精神を大事にしている護憲派映画館と言えるでしょう。


 『ウォッチメン』はここ最近のアメコミ映画の総決算みたいな映画。
 『スパイダーマン』で確立した悩めるヒーローものが、『ダークナイト』で頂点を迎えて、この『ウォッチメン』で総決算という感じ。もっとも、『ダークナイト』にあった、現実リンクしたシリアスな部分は感じられなくて、あくまでもアメコミ的な世界を深めていった感じ。
 ヒーローの力によりベトナム戦争に勝利し、ニクソンが三選を果たしているパラレルワールドが舞台で、そこではキース条例という覆面を被っての自警行為を禁止する法律によりヒーローは引退状態になっている。ところが、引退したヒーローたちを狙うヒーロー狩りのような事が始まって…、というストーリー。
 「正義とは何か?」、あるいは「アメリカの現代史とは?」といった事を考えさせられる映画で、確かに面白いですが、『ダークナイト』のような傑作となるには現実の歴史とのリンクのようなものがやや足りなかったかと。
 終り方も、なんだか「コードギアス R2」みたいな終り方でしたしね。
 

 監督は『300』のザック・スナイダー。今回もCGとスローモーションを使いまくってあり得ない映像を嫌ってほど見せてくれます。とにかくオープニングからしばらくは普通に撮られている映像がひとつもないような凝りようで、けっこう見ものです。あと『300』に引き続き暴力描写はけっこう過激。血は飛び散るし、けっこうグロです。でも、すべてが誇張された感じなので、そんなには「痛く」ないかもしれません。