昨日行ってきました。
ティッセン・ボルネミッサ現代美術財団ってとこのコレクションらしいけど、この財団の代表がハプスブルグ家の人らしく、最初にあったフランチェスカ・フォン・ハプスブルクさんのあいさつに「おおっ!」ってなってしまいました。
内容はいわゆるインスタレーションが中心で、蛍光灯の石柱みたいのとか、映像とかコラージュとかいろいろ。
そんな中で面白かったのは、まず、ジム・ランビー 《ソボップ・ゴールド》, イェッペ・ハイン 《映す物体》。
2つの作品の組み合わせらしいですがジム・ランビーのつくった美しい床に転がっているのがつるつるの球体。これが何とも微妙に動きます。止まるかと思うとまた動き出し、どうなっているのかなー?と覗き込むとそこには自分の姿が映るという不思議な作品。
ジョン・M・アームレーダーの《グローバル・ドーム XII》はミラーボールを並べた作品ですが、光の規則正しい回転が奇妙なトリップ感に襲われます。
オラファー・エリソン 《投影される君の歓迎》も光を使った作品で、2枚の吊るされた鏡が回転するだけなのですが、その速度と光のあたり具合が不思議な空間を作ります。
ジャネット・カーディフ 《触ること》は、くらやみと静寂に包まれた部屋の真ん中にきたなめの机が置いてあり、それに触るとさまざまな音が聞こえてくるというもの。人がたくさんいる時にやるとあまりありがたみがありませんが、運良く誰もいない時に入ると、何が不安が襲ってくるような作品です。
ロス・カルピンテロス《凍結した惨事の習作》はブロック塀が爆破された瞬間を再現したオブジェ。思わず中に入って『マトリックス』の真似をしたくなります。
まあ、中にはコンセプトだけが先行して特にみても面白くないものもあるのですが、いくつかの不思議な経験はできるでしょう。
ただ、こういう現代芸術をみると、「技術」から切り離された芸術の難しさというのも感じます。
いわゆる現代以前の絵画とか彫刻とか工芸品だと「うまい!」とか「技術的にすごい!」という感想があるんだけど、この展覧会ではそういったものはほぼない。
「芸術」から「技術」を切り離すと、そこには人を驚かせるようなアイディアしか残らないのか?それともまだ別なものが残るのか?そういったことも少し考えさせます。