民主圧勝、自民の歴史的大敗でしたが、自民の敗北は当然と言えば当然。
前回の郵政選挙で国民は小泉改革を支持したわけだから、それを否定したら票が逃げるのは当然でしょう。
今回、みんなの党が意外に善戦していて5議席獲得。近畿と東海の比例で単独の候補者を立てていれば社民党と同じ7議席を考えると、マスコミでは否定的なトーンで語られていても小泉改革の支持者はまだけっこういると思います。
前回の自民の獲得議席の100議席くらいは「小泉票」で、自民はマイナス100議席からの戦い。自民の執行部からするとそこからスタートでも200前後は何とかと思っていたのでしょうけど、そこからさらにマイナス80。
今まで支持団体の衰えを小泉人気と公明党の選挙協力で補ってきた自民ですが、もはや支持団体というのも名前だけでほぼ影響力もないもない団体だということが露呈してしまった感じ。
公明も日本で唯一組織力のある団体でありながら、突風の前には無力でした。
民主はとりあえず組閣の内容。特に官房長官を誰にするかが鍵。
上杉隆の『官邸崩壊』を読んでもわかるように、官房長官、官房副長官、首相秘書官といったあたりのポストがダメだと首相が裸の王様になり、政権はぐちゃぐちゃになる。
菅直人官房長官なんてアイディアも出てきそうだけど、ああいう「カッコつけマン」的な人はやめたほうがいいでしょう。菅直人の処遇はちょっとめんどいかも。
経済面で言うと、民主党政権のプラス面はインフレになりそうなところ。
子ども手当2万6千円とか、7万円の年金とか民主の政策は額面で示してあるものが多いです。マスコミはバカの一つ覚えのように「財源・財源」と唱えていますが、上手い感じでインフレが起こせればこうした額面表示の公約もなんとかなるでしょうし、財政再建だって出来るでしょう。
これからの選挙はおそらくすべて空中戦。圧力団体や利益集団と呼ばれた団体の影響力が消滅した今、民主と自民の両党が120前後の基礎議席をもとに200議席くらいを、「風」を使って取り合うような選挙戦になるのではないでしょうか?
というわけで自民の課題は空中戦の出来る総裁を選ぶこと。
ただ、人材不足は否めないので、何年後かに橋下徹にすがるとかいうこともありそう…。