キシュの『庭、灰』目当てに買った本ですが、一応、カルヴィーノの『見えない都市』も読了。
ただ、読んで思ったのは、僕にはカルヴィーノはやっぱり合わないな、ということ。
『木のぼり男爵』とか『むずかしい愛』とか何冊か読んでいるはずなんですけど、面白いと思ったためしがない。
この『見えない都市』もあまりノレませんでした。この『見えない都市』のパロディを組み込んだエステルハージ・ペーテルの『ハーン=ハーン伯爵夫人のまなざし』(エステルハージ・ペーテル『ハーン=ハーン伯爵夫人のまなざし』読了 - 西東京日記 IN はてな参照)は最高に面白かったんですけどね。
エステルハージは中欧の歴史の断絶とねじれから「ポスト・モダンであることを強いられている」のに対して、カルヴィーノのポスト・モダンは表面的な気がします。もっとも。その表面性こそがポスト・モダンなのだと言えばそれまでですが、非常に安定した基盤の上に成り立っているポスト・モダンという感じがしてしまうのです。