カルヴィーノ『見えない都市』(庭、灰/見えない都市 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集2) )

 キシュの『庭、灰』目当てに買った本ですが、一応、カルヴィーノの『見えない都市』も読了。
 ただ、読んで思ったのは、僕にはカルヴィーノはやっぱり合わないな、ということ。
 『木のぼり男爵』とか『むずかしい愛』とか何冊か読んでいるはずなんですけど、面白いと思ったためしがない。
 この『見えない都市』もあまりノレませんでした。この『見えない都市』のパロディを組み込んだエステルハージ・ペーテルの『ハーン=ハーン伯爵夫人のまなざし』(エステルハージ・ペーテル『ハーン=ハーン伯爵夫人のまなざし』読了 - 西東京日記 IN はてな参照)は最高に面白かったんですけどね。

 エステルハージは中欧の歴史の断絶とねじれから「ポスト・モダンであることを強いられている」のに対して、カルヴィーノのポスト・モダンは表面的な気がします。もっとも。その表面性こそがポスト・モダンなのだと言えばそれまでですが、非常に安定した基盤の上に成り立っているポスト・モダンという感じがしてしまうのです。


庭、灰/見えない都市 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集2)
米川良夫
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