『東のエデン 劇場版I The King of Eden』

 TVシリーズが話題になったアニメの劇場版。
 TVシリーズは明らかに後半が急ぎすぎで何が何だかといううちに終ってしまったのですが、それも劇場版でけりを付けるという最初からの計画だったのでしょう。TVシリーズは全11話でしたが、話のスケール的には24くらいは必要な話でした。


 2010年11月22日(月曜日)に発生した、日本の主要都市に計10発のミサイルが着弾した「迂闊な月曜日」。それは行き詰まった日本を救うために選ばれた12人のセレソンと呼ばれる人間が起こした事件。しかし、奇跡的に死傷者は出なかった。
 セレソンは残高100億円の携帯電話を所持し、その残金の範囲で「ジュイス」というコンシェルジェにさまざまなことを依頼することが出来る。
 そのセレソンの一人滝沢朗はワシントンでヒロインの森美咲と出逢うが、かれの記憶は消えたまま。どうやら彼が2万人のニートを使って「迂闊な月曜日」の被害を抑えたらしい。
 勝ち逃げしようとする高齢者や既得権者に反発するニートたちと、その閉塞感を打ち破るために魔法の携帯の力を使って暗躍するセレソンたち。
 まあ、こんなスケールな話なわけで、その謎や最終的な解決ははかられないままTVシリーズは終ってしまったわけです。


 というわけで、劇場版で一気に謎が解決か!と思いきや、今回は完全なお預け状態。
 アメリカでの記憶を喪失した滝沢君との出会って、映画館とかでおぼろげながら滝沢の過去が明らかになってって、TVシリーズの前半をなぞっているんじゃん!
 それで、いよいよ新展開!ってとこで終ってしまう…。
 まあ、TVシリーズ同様の面白さはありますし、結局3月公開の劇場版第2弾を期待してしまいます。
 ただ、TVシリーズを見てない人にとっては何が何だかという感じはありますかね。


 ちなみに、この話、面白いしある種の日本のリアリティは描いているんだけど、ニートたちの経済的な困窮をまったく描いていない点が弱いと思います。ニートをたんなるフラフラしている学生ととらえているシーンが多いですが、学生はニートじゃないでしょ。


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