飯田泰之・中里透『コンパクトマクロ経済学』

 以前買って手元に置いている『 マンキュー経済学〈2〉マクロ編』には、IS-LM分析がきちんと載っていないため、それを勉強するために購入。
 もともと経済学に出て来る数式が苦手で、数学からも遠ざかっている身としては、やはりIS-LMモデルや、労働市場のAD-ASモデルというのは難しいです。
 ただ、この本ではマクロ経済学のモデルが、数式、グラフ、平易な文章の3つで説明されていて、数式が完全に理解できなくても、モデルで議論されていることが掴めるようになっています。
 数式が苦手な立場からすると、もう少し数式に具体的な数字を入れて議論を進めてくれるとさらにわかりやすいとは思いますが、文章とグラフによって数式が弱い人でも感覚的にわかるような配慮がされているのがこの本の特徴と言っていいでしょう。
 簡単ではありますが、最近のマクロ経済学の理論についても触れられていますし、最後に置かれた日本経済についての章も、マクロ経済学の理論と実際の経済の関係を知る上でも有益です。
 しかも、本文190ページというコンパクトサイズ。
 マクロ経済への第一歩として、なかなかいい本だと思います。


コンパクトマクロ経済学 (コンパクト経済学ライブラリ)
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