Caribou/Swim

 カナダのエレクトロニカ・アーティストCaribouのニューアルバム。Caribou名義では3枚目になるのかな?
 もともとManitobaという名義で活動していたのですが、そのころは「フォークトロニカ」というふうに評されているアーティストでした。ところが、今作まで来ると、その面影はほとんどなく「エレクトロニカ」という言葉を使うのもなんだかもうズレているのかもしれません。
 アルバムの出だしでまず思い起こすのは00年代の初頭にでたDFA関連のアーティスト。パーカッションを多用した音づくりは、The RaptureとかLCD Soundsystemに通じるものがあります。
 ただ、その類似というのはあくまでも表面的なもの。アルバムを聴くにしたがって、Caribouが今までのキャリアの中で積み上げてきたサイケデリックな感じや電子音の歪み、音の密度の濃さといったものが徐々に姿を現します。
 基本、ダンスミュージックなんだけど、「わかりやすく、おどりやすい」のではなく、どの曲も何かが引っかかるようにできている感じ。
 そしてラストの"Jamelia"。この曲はこのアルバムの中でも飛び抜けてメロディアスでエモーショナル。
 アルバムごとに変化するCaribouの世界、そしてその変化は1枚のアルバムの中でも楽しめます。


 試聴はこちら↓
 http://www.myspace.com/cariboumanitoba


Swim
Caribou
B003A060K6