カポディモンテ美術館展

 あんまり話題にはなっていないけど、エル・グレコの傑作「燃え木でロウソクを灯す少年」が来ていると知って行ってきました。
 エル・グレコの「燃え木でロウソクを灯す少年」とはこの絵です。


 陰影が印象的なこの絵ですけど、実物を見ると陰影だけでなく少年の表情の描き方が見事。火をともすために口をすぼめて息をふきかけている少年の瞬間の表情が本当によく描かれています。火の部分は、この時代の絵画にしては珍しく厚塗りされている感じで、エル・グレコの現代性のようなものも感じます。


 この絵以外にも、ポスターにもなっているパルミジャニーノの「貴婦人の肖像(アンテア)」や、ティツィアーノの「マグダラのマリア」なんかがさすがの出来でした。
 「貴婦人の肖像(アンテア)」はモデルの人物の生気の強さのようなものが感じられましたし、「マグダラのマリア」は涙の描き方が見事。
 そして、笑えたのがパチェッコ・デ・ローザの「眠るヴィーナスとサテュロス」。サテュロスのエロオヤジっぷりがすごい!まさに「エロオヤジのイデア」ともいうべき存在。
 けっこう過激な題材の絵が多いんですけど、「一服の清涼剤」と言えるかも。