ミスチルのニューアルバム「SENSE」、今回は先行シングルなしで全曲新曲の全12曲。
いきなり"I"という厭世と自嘲に満ちた、まるで「BOLERO」〜「Q」の時代に戻ったかのような爽やかさゼロの曲で始まるので、「どうなるの!?」って感じの出だしなんですが(個人的には「Q」とかけっこう好きなんですけどね)、2曲目の”擬態”がうますぎる。
ムキになって洗った手に
こびりついている真っ赤な血
いつか殺めた自分にうなされ目覚める”効きます”と謳われたあらゆるサプリメントは
胃の中で泡となって消えた
デマカセを 真実を
すべて自分のもんにできたなら
もっと綺麗でいられるのに。。。
と、歌詞は暗いのですが、これがなんとも明るくてポップで希望に満ちた曲調で歌われている。
普通に考えるとこの歌詞でこの曲はないだろって感じなのですが、この辺が桜井和寿の上手さ。まさに曲自体がポップな曲を「擬態」しています。
で、そのあとはミスチル初期を思わせる"I'm talking about Lovin'"とかを挟んで王道バラード"365日"。このあたりに来るとスタートの時の不穏さはすっかり払拭されて、「いいアルバム」になってます。
ただ、そこから"ロックンロールは生きている"でやさぐれて、粘着系ラブソングの"ロザリータ"へ。
けれども、そのあとは"fanfare"で爽やか路線に復帰。"春"、"Prelude"と王道バラード、ポップソングと続けて、"Forever"で締め。
最後に"Forever"の歌詞から。
ともすれば ともすれば
人は自分をどうだって変えていけんだよ
そういえば そういえば
「君の好きな僕」を演じるのは
もう演技じゃないから