Electric President/The Violent Blue

 2004年よりフロリダ州を中心に活動するベン・クーパーとアレックス・ケインによるデュオ・ユニット・Electric Presidentの3rdアルバム。
 Morr Musicからリリースされた1stは、いかにも「Morr Music的なアルバム」でしたが、その後、同じMorr Musicからリリースされた2ndではややSSW的な音楽を展開。特にベン・クーパーは自らのソロプロジェクトRadical Faceでさらにフォーク的な音を鳴らしていたのですが、このElectric Presidentの3rdアルバムはエレクトロニカと生音をうまくミックスさせながら、その上にSSW的な歌の世界を構築した、今までのキャリアの総決算とも言っていいアルバム。


 例えば、3曲目の"Safe And Sound"。フォークトロニカというにはしっかりとした歌の世界をつくりげていますし、たんなるフォークシンガーにはない音の世界の深みがある。
 こうしたメロディと音作りの相乗効果は5曲目の"Nightmare No. 5 or 6"なんかにも見られいて、後半のノイジーなギターの入れ方がとっても印象的。ラストの"All the Distant Ships"も最後の広がりが非常によい。
 全体的にスローなテンポの曲が多くて派手さはないですし、1stのポップさもないですが、染み入るような曲が多いです。
 ボーカルもDeath Cab For Cutieのベン・ギバートにも通じるものがあり、デスキャブやThe Postal Serviceのファンとかも気にいるのではないでしょうか?
 

 試聴はこちら↓
 http://www.myspace.com/electricpresident


Violent Blue (Dig)
Electric President
B00332DA8Q