Her Space Holiday/Her Space Holiday

 Her Space Holiday名義のラストアルバムとの触れ込み。
 ただ、どうやら日本だけのリリースらしくアメリカのAmazonで探しても出てくるのはダウンロード版だけ。ちなみにアメリカでは日本ではXoxo,Panda名義の「THE New Kid Revival」もHer Space Holiday名義で出ているようで日本とはずいぶんリリース形式が違うみたいです。
 このCDもジャケットの絵を手がけているのは日本人イラストレーターの北沢平祐ですし、基本的に日本の&レコードを中心に進んだプロジェクトなのでしょう。

 ただ、中身はだからいって物足りないわけではなく、内容は前作の「The Past Presents The Future」をそのまま引継ぎ、なおかつXoxo,Pandaで培った生楽器の要素を足してみた感じ。
 初期のような「かっこいいエレクトロニカ」といったイメージはずいぶん後退しましたが、祝祭的な雰囲気に満ちあふれた音とメロディは、前作が好きならまず気にいるんじゃないでしょうか。そしてHer Space Holidayを聴いたことのない人でも、Sigur RosのJonsiのソロアルバムが好きな人なんかは気にいると思います。
 冒頭の"Anything For Progress"からポップな感覚は広がる感じで、ドリーミーな世界に浸っていけます。人によっては以前のような浮遊感がなくなったのを残念に思う人もいるかも知れませんが、それに代わってでてきた賑やかさもまた楽しいです。
 後半になるとXoxo,Pandaっぽい曲も増えてきて、"The Bullet, The Battle, The Trigger, The Barrel And Me"なんかは
Xoxo,Pandaの曲と言ってもいい感じです。その次の"Death Of A Writer"もトランペットやトロンボーンといった楽器とマーク・ビアンキの声がうまく溶け合っている曲ですし、全体的に今までのHer Space Holiday、そしてマーク・ビアンキのここ最近のキャリアのまとめといった感じになっています。

 


HER SPACE HOLIDAY
HER SPACE HOLIDAY
B0053XULSK