ベルリン国立美術館展

 最近になって急に電車などに広告が出始めた「ベルリン国立美術館展」。副題の「学べるヨーロッパ美術の400年」というのは正直イマイチな気がしますが、展示自体はなかなか充実した内容でした。
 今回の目玉はなんといってもフェルメールの「真珠の首飾りの少女」。
 フェルメールといえば6月30日から東京都美術館の「マウリッツハイス美術館展」で、「真珠も耳飾りの少女」がやってくるのでそちらに気を取られている人が多いと思いますが、実は「首飾り」の方はもう来てます。
 黄色の色遣いが鮮やかで構図は完璧。「耳飾り」ほどの派手さはないですが流石の出来ですね。
 6月30日以降は、フェルメールのハシゴをしようと大挙して人が押しかけそうな予感がするので、「真珠の首飾りの少女」のほうはあまり混んでいない今のうちに見ておくのが吉かと。


 あとはレンブラントの「ミネルヴァ」、レンブラント派の「黄金の兜の男」、ベラスケスの「3人の音楽家」なんかも来ています。
 「黄金の兜の男」は調査の結果、レンブラントの作ではないと判定されてしまったそうですが、黄金の兜の描き方、そして光らせ具合はかなりのもの。ベラスケスのは若い頃の作品なのですが、やはり上手いですね。
 あと、ドイツってことでアルブレヒト・デューラーの「ヤーコプ・ムッフェルの肖像」もありましたが、そこに描かれているのは現在のドイツ人といってもいいような風貌。デューラーのモダンさを感じます。
 また、教科書でお馴染みのルターの肖像画も現物見るとルターの黒の服と背景のエメラルドグリーンのような色の色遣いが素晴らしい。歴史的な資料という点を抜きにしても言いえだと思います。


 そして、意外に興味深かったのが前半にあった木彫りの聖人や聖母子像。菩提樹なんかから成功に彫りだしたものなんですけど、材質のせいもあってちょっと仏像を思わせます。それほど大きいものはないのですが、「信仰の対象」になり得るようなものだと思いました。
 こちらが公式ホームページです。
 http://www.berlin2012.jp/tokyo/index.html