Jens Lekman/I Know What Love Isn't

 スウェーデンのシンガーソングライター・Jens Lekmanの約5年ぶりのフルアルバム。
 Jens Lekmanというと「Rocky Dennis EP」と「Maple Leaves」という2枚のEPで圧倒的に鮮烈な印象を残しながら、1stアルバムの「When I Said I Wanted To Be Your Dog」はいまいち、2ndの「Night Falls Over Kortedala」も良かったけど最初のEPに比べると、そこまでは届かずといった感じで、その後は消息を聞かず。
 で、この前去年に出た「An Argument With Myself EP」の存在に気づいたと思ったら、フルアルバムをリリースしてきました。


 もとからちょっと「古臭い」声を持っていて独特の雰囲気がある人なのですが、今回はそれを活かしてややオールディーズっぽい感じに仕上がっています。特に2曲目の"Erica America"なんかはJens Lekmanの「古臭い」声がマッチした曲だと思います。
 また、8曲目の"The End Of The World Is Bigger Than Love"はカーペンターズを思わせるピアノが印象的な曲で(このピアノのフレーズは絶対に聞いたことがあるんだけど何の曲か特定できない…)、Jens Lekmanが「甘く」歌い上げています。
 一方で7曲目の"The World Moves On"のような軽快な曲もあり、アルバム全体としてバラエティに富んでいます。
 さすがに"Rocky Dennis' Farewell Song"ほどの名曲はないですが、クオリティは高いですし、曲数や長さから言っても2ndの「Night Falls Over Kortedala」よりも綺麗にまとまっているのではないでしょうか。

 


I Know What Love Isn't
Jens Lekman
B008EG700U