Yeah Yeah Yeahs/Mosquito

 Yeah Yeah Yeahs、4年ぶり4枚目のアルバム。
 リリースの間隔は毎回かなり長いですが、毎回、違う方向性の音楽をしっかりと作りこんでくるのがYeah Yeah Yeahsのすごい所。前回の「It's Blitz」は、わかりやすくストレートにYeah Yeah Yeahsの魅力を伝えるようなアルバムでしたが、今作はメロデイはストレートながらもパーカッションを使ったリズムや、ラッパーのDr. Octagonをゲストに迎えた"Buried Alive"などで変化を出してきています。
 また、キーボートがけっこう入っているのも特徴で、3人という編成は変わらないですが曲によってはプロデューサーのデイヴィッド・シーテックがBASSを弾いていますし、以前のようなスカスカ(もちろんいい意味で)の音ではなく、全体的に音の密度が濃くなった印象があります。
 でも、6曲目の"These Paths"なんかはキーボードを使いながらも変に派手にならずにタイトにまとまっていますし、Dr. Octagonをゲストに迎えた"Buried Alive"も変に豪華にならずにYeah Yeah Yeahsらしい曲に仕上がっています。
 ただ、最後の2曲、"Despair"と"Wedding Song"はいいんだけど、なんとなく既視感があって後半がやや弱く感じるかも。前作の"Hysteric"とか、「Show Your Bones」のラストを飾る名曲"Turn Into"とか、Yeah Yeah Yeahsのアルバムには最後のひと押しがあったので、そのへんだけが物足りないところかもしれません。



Mosquito
Yeah Yeah Yeahs
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