The National/Trouble Will Find Me

 The Nationalの6枚目のアルバム。前作の「High Violet」はその前の「Alligator」、「Boxer」といッタアルバムに比べると、"Afraid of Everyone"をのぞいて正直イマイチ感もあったのですが、今作はいいんじゃないでしょうか。
 The Nationalは派手にならず、それでいてそれっぽいムードに頼らずに緻密な音作りをしているところが魅力の一つだと思うのですが、今回のアルバムもその緻密な音作りが生きてる。


 例えば、4曲目の"Fireproof"なんかは雰囲気のある曲ですし、ボーカルのMatt Berningerの声が何よりも雰囲気あるのですが、そういった雰囲気だけに頼らず凝った音作りをしてます。しかも、独特の静謐さも維持していて、まさにThe Nationalならではの音になっています。
 そして8曲目の"Graceless"はThe Nationalひさびさのアッパーなナンバーで、アルバムの中でも最も目立つ曲になっています。さすがに"Mr. November"ほどの圧倒的な楽曲ではないですが、ちょっと"Mr. November"を思い起こさせて盛り上がります。
 さらに10曲目の"I Need My Girl"はまた静謐な中に凝った音作りがしてあって、これも素晴らしいですね。比較的単純な曲のようでいてギターのリフを少しずつ変えてきたり、シンプルなメロディーの中にも変化があります。


 今回のニューアルバム、「Alligator」、「Boxer」、「High Violet」ときて、さすがに「Boxer」には劣ると思いますけど、アルバムトータルならばその次くらいにいいんじゃないでしょうか。


"I Need My Girl"


Trouble Will Find Me
National
B00BYISQTO