Polly Scattergood/Arrows

 セルフタイトルのデビュー・アルバムが良かったPolly Scattergoodの2枚目。
 イギリスの1986年生まれのシンガーソングライターで、1stアルバムではポップでありながらどこか切羽詰まったようなボーカルと楽曲を聴かせてくれていて、個人的には注目していました。
 ただ、Emmy The GreatにしてもFlorence & The MachineにしてもThe Joy Formidable(これはバンドだけど)にしても、UKの女性ボーカルものは2ndになるとポップさが失われて妙にしっとりしてしまうのが問題で、このPolly Scattergoodの2枚目もややそういう感じ。
 冒頭の"Cocoon"はしっとりでもいい曲なんだけど、2曲目の"Falling"とか4曲目の"Disco Damaged Kid"なんかはもうちょっとポップであってもいいんじゃないかと思います。
 ただ、それでも不安定でそれでいて力強くもあるPolly Scattergoodの声は魅力がある。3曲目の"Machines"のラストの部分の高い声なんてゾクゾクするくらいですし、6曲目の"Miss You"とかラストの"I've Got A Heart"の切なさに満ちたボーカルもいい!
 しっとりしているいえばしっとりしているんですが、それだけではなくてもろくて不安定な感じがたまらないですね。この辺りの歌いっぷりを聴くだけでもこのアルバムに手を出す価値はあると思います。



Arrows
Polly Scattergood
B00CCCF57M