Stars、7枚目のアルバム。前作の「The North」がややいまいちだったので、さすがにStarsも下降線か…と思ったのですが、今作は持ち直した!
もちろん、「Heart」、「Set Yourself On Fire」、「In Our Bedroom After The War」の傑作群とかのレベルにはないですが、それでも今までの焼き直しではない新しい面が出ていますし、そしてStarsの良さというのも出ているアルバムだと思います。
冒頭の"From The Night"は、抑えた演奏にTorquilのボーカルがちょっとラップっぽく囁くように始まり、徐々に盛り上がっていくような内容。前半は、今までのStarsの曲に比べると音数を絞ってきた感じですが、後半はだんだん派手になっていきます。
音数が少ないというのは今回のアルバムの特徴で、今までストリングスなどを派手に入れてきたのに比べると、全体的に派手なアレンジは抑えめです。
ただ、だからといってポップさが消えているわけではなく、先行配信されていた"Turn It Up"などは子どものコーラスを使って、まさにポップに仕上げてきています。そして、この曲はAmyの声がその子どものコーラスに負けていないハリを持っているところがよいです。
6曲目の"What Is To Be Done?"も、囁くようなTorquilのボーカルからだんだんと盛り上がっていく曲なのですが、後半は爆発するものの、そこに行くまでは今まで以上に抑え気味。
ただ、盛り上げる時はしっかり盛り上げているわけで、7曲目の"Trap Door"の後半のサックスの入り方なんかもいいと思います。
9曲目の"The Stranger"と10曲目の"Look Away"のしっとりとした曲。"The Stranger"はいかにもStarsっぽい曲ですが、"Look Away"は男女のツインボーカルの良さが生きた新境地の曲。ここにきてまた新しさを感じる曲が出てきたのはいいことです。
というわけで、やっぱりStarsが好きだし、まだまだ期待できるってことを再確認させてくれたアルバム。
No One Is Lost
Stars