『フューリー』

 もうすぐ終わってしまうところですが、ようやく見てきました。
 スタッフが「『プライベート・ライアン』を超える映画を作る!」と意気込んで、実際に「救いのなさ」では『プライベート・ライアン』を超えた映画という感じですかね。
 明らかに『プライベート・ライアン』を意識したような作りで、前半で戦争の残酷さを見せつけて、後半で「仲間、戦友」がクローズアップされてくる。


 ただ、途中から戦車の乗組員の一員になった若者(ノーマン)に、捕虜の殺害をやらせる(日本軍が新兵に中国人を試し斬りさせた的なエピソード)など、この映画のブラッド・ピット(ドン)は、『プライベート・ライアン』のトム・ハンクスと違ってかなりブラック。脚本のせいもあって、やや理解し難い人物にも映ります。
 まあ、常人には想像しがたい経験を戦場でしてきた、あるいは戦車をさして「ここがホームだ」というほど、戦車と一体化してしまった人物で、あえて完全に感情移入できるような存在にはしていないのでしょう。


 そして「戦車と一体化」と書きましたが、戦車こそがこの映画も肝。
 序盤の戦車と歩兵の一体化した進撃や、戦車の弾の使い分け、各乗組員の役割など、「なるほど、こういう感じだったのか」と思うところはいろいろあります(あの撃たれた弾のビームみたいな処理はなんなんだ?とも思いますが)。
 さらに、実際のものが使われたというドイツのティーガー戦車の登場!これは登場からしてかっこいいですし、アメリカのシャーマン戦車では歯がたたなかったという設定で、戦車同士のバトルが描かれています。


 この戦車戦が面白いだけに、クライマックスの戦闘シーンが『プライベート・ライアン』と同じような『七人の侍』的な戦いというのはちょっともったいない。 
 ここまで『プライベート・ライアン』を意識する必要はなかったと思います。
 でも、全体的には面白い映画だったと思います。


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