Death Cab For Cutie/Kintsugi

 Death Cab For Cutie、3年10ヶ月ぶりのリリースとなる9枚目のアルバム。リリース期間が開きましたが、この間にメンバーの一人であったクリス・ウォラが脱退し3人組となるなど、バンドにも色々とあったようです。タイトルの「Kintsugi」(金継ぎ=割れた陶器などを修復する技法)も、バンドの修復、再生といったところからとられたのでしょう。


 サウンドとしては、ギタリストのクリスが脱退したこともあって、デスキャブの代名詞的な粒子的とも言えるギターの音は後退。その分、いろいろなアレンジを試してきています。
 2曲目の"Black Sun"の歪んだギターなども、今までのデスキャブではあまり聴かなかったものですし、3曲目の"The Ghosts Of Beverly Drive"8曲目のGood Help (Is So Hard To Find)""での打ち込みの使用など、いろいろと試している感があります。
 

 この変化には賛否両論あるでしょう。
 個人的には、前作の「Codes and Keys」、前前作の「Narrow Stairs」がそれほどピンとこなかっただけに、この変化は悪くないと思います。何よりもアルバムの単調さがなくなり、アルバム全体に変化が出ました。また、メロディーもよく練られていて良いメロディの曲が多いと思います。
 ただ、メロディは良くてもデスキャブならではのキラキラ感が失われたのも確か。もう15年以上活動しているバンドなので、今さらキラキラ感を求めてもしかたがないのかもしれませんが、やはりデスキャブといえば透明でキラキラした感じだと思うんですよね。
 もっとも、今作も耳をすませば透明でキラキラした感じが聴こえてくるようにはなっていると思います。



Kintsugi
Death Cab for Cutie
B00SJ9UEGE