SHERBETS/きれいな血

 前作「STRIPE PANTHER」は店頭でデラックス盤しか見かけずに結局スルーしてしまったSHERBETSですが、今回は税抜き2500円というお求めやすい価格だったので買いました。
 路線としては前前作の「Free」の延長線上にある感じで、基本的に静かな曲が多いものの、3曲目の"LADY NEDY"をはじめとしてロックっぽい曲はロックっぽく仕上がっており、「Natural」のような完全静謐路線というわけではないです。
 また、曲作りに福士久美子と外村公敏が関わっているのも特徴で、しかも、このアルバムの中で冒頭の"ひょっとして"とともに光っている曲である7曲目の"ミツバチ"にこの二人が関わっています。このミツバチは浅井健一的でありながら、今までにはないややゆったりとしたスケール感を持った曲なのですが、うまく二人の感性がプラスされたのではないかと思います。
 しかも、8曲目の"She"は福士久美子の作詞作曲でボーカルも福士久美子という今までのSHERBETSにはなかった曲です。この曲がとりわけいいわけではありませんが、SHERBETS浅井健一のソロではなくバンドらしくなっているのはいいことだと思いますし、これからの変化も期待できます。
 MUSEの「Drone」の後に買ったのでやや音が弱い気もしますが、バンドのスケールなどを考えればそれも仕方のないこと。また、「Free」に比べるとギターの面白さというのもやや弱いですが、"ひょっとして"と"ミツバチ"はいい曲ですし、浅井健一の一時期見られたルーズな部分も押さえられていて、なかなかいいアルバムになっていると思います。



きれいな血
SHERBETS
B00WRITI06