Youth Lagoon/Savage Hills Ballroom

 アメリカ・アイダホ州出身のトレバー・パワーズのソロ・プロジェクトの3枚目。
 デビューアルバムの「The Year Of Hibernation」では、か細く壊れそうな音を鳴らしていたYouth Lagoonですが、このあるばむはかなり堂々とした感じ。冒頭の"Officer Telephone"から粘っこいくらいのボーカルを聴かせています。
 3曲めの"The Knower"も立ち上がりはか細く繊細ですが、曲の折り返しあたりからはバックの音も力強くなり、太い音を響かせています。
 また以前はけっこうシューゲイザーっぽい曲も多かったのですが、かなりはっきりとした音のポップスになっています。4曲目の"No One Can Tell"なんかは、ちょっと暗めのポップスとしてよく出来ていると思います。6曲目の"Rotten Human"も暗めのオルタナっぽくていい曲です。


 ただ、以前の繊細は影を潜めてしまったので、そこを残念に思う人もいるでしょう。
 7曲目の"Kerry"あたりには少しその面影がありますけど、昔の消え入りそうな感じからすると全然太い感じです。
 全体的に曲のレベルは揃っていると思いますが、「やはり、壊れそうなくらいな繊細さがYouth Lagoonだろ!」という人には、やや「違う」と感じさせるアルバムかもしれません。



Savage Hills Ballroom
Youth Lagoon
B00ZVSPGAA