2015年の紅白歌合戦を振り返る

 あけましておめでとうございます。
 今年も新年最初は紅白回顧から。

 
 今回は紅組が勝ったわけですが、まあ、白組の敗因はトリのマッチのヘボさにつきますよね。「まるで成長していない…」
 それにしても2015年はヒット曲が皆無というめずらしい年だったと思います。一番、人口に膾炙したのがゲスの極み乙女。「私以外私じゃないの」なのかな?という感じ。
 オリコンの年間1位から4位がAKB48なんだけど、そのAKBがそれらの歌を歌わずに、前田敦子大島優子という「過去の遺産」に頼ったというところが、今の音楽業界を象徴していたのではないかと。
 演出としては、「まれは?まれはどこにいったの?」という印象が強く、最後の方に長澤まさみ有村架純、土屋太鳳と出てきて、土屋太鳳だけ話をふられないという冷酷な演出…。『まれ』への世間の目の厳しさだけが感じられました。「頑張れ、太鳳ちゃん!」
 あと、第2部にスペシャルコーナーが多すぎ、ディズニーのやつはいらないか1部でやればいいでしょう。だいたい、ディズニーショー+スターウォーズなんて、NHKはディズニーから宣伝費でももらっているか?
 以下、各歌手の短評。ただし、娘の遊びに付き合わされた時間帯もあって、例年ほど集中して見てなかった時間帯もあります。細川たかしとか第2部の後半になって、「あれまだ出てない?」とか思ってしまった…。


大原櫻子→歌も声もルックスもダメじゃないけど、まったく印象に残らない。
三木ひろし→なかなか良い声で、とりあえず山内惠介よりいいんじゃないだろうか。
AAA→「代表曲の「恋音と雨空」です!」とか言われても知らんがな…
星野源→曲は最高にポップでセンスはある。が、声や歌い方の軽やかさとかが、例えば小沢健二とかに比べるとやや見劣りするな、と。
ゲスの極み乙女。→やはりキャッチーな曲。最初にも書いたけど、2015年で一番キャッチーな曲だったんじゃないでしょうか。
miwa→歌い手としてはけっこういいと思う。曲は何の深みもないけど。
氷川きよし氷川きよしを取り囲むラガーマンの大群。もはや、あっちの世界を想像しないほうが無理というもの。このまま色ものになってしまうのか…。
NMB48→AKBの曲じゃないの?というツッコミはあるでしょうけど、出だしを歌った山本彩は今まで聴いたことのあるAKB系列の人の中で一番歌の才能があるんじゃないかと思った。
水森かおり小林幸子が出るんならいらないと思います。
椎名林檎向井秀徳の無駄遣い!冒頭で向井秀徳に「繰り返される諸行無常」と歌わせて超期待させておいて、それで終わりとは…。曲の間中、ずっと向井秀徳の再登場と向井秀徳とのからみを期待し続けていました…。
嵐→今回はV6に後ろを譲った形だけど、やはりグループとしての勢いはまだ嵐が一番なんだなという盛り上がり。
Superfly→さすがの迫力。Superflyがステージで歌うとなると、中継のMISIAなんていらないですね。
ゴールデンボンバー→4年連続で「女々しくて」、しかもこんな後半に出てきてどんなネタ用意してきてるんだと思ってましたけど、又吉がらみのこれは笑えた!そして、「女々しくて」は「私以外私じゃないの」のはるかに上回るキャッチーな曲ですな。
石川さゆり→さっきSuperflyを褒めたけど、石川さゆりが出てくると歌手としてはやはり石川さゆりのほうが圧倒的。歌い出しから声の艶っぽさが格別。
五木ひろし→1997年の大トリで歌った「千曲川」は歴代紅白の歌の中でも相当良かったと思うのですが、やはり「千曲川」は良いと再認識。ベテランが崩して歌のが嫌いなんですが、五木ひろしの崩しはきちんとした技術に基づいたもので気にならない。
X JAPAN→TOSHIの声はやはりすごい。前から他の人には真似できないものがあったけど、再結成後、さらに良くなったんじゃないかと思わせる衰えのなさ。得難い人だと思います。
レベッカNOKKOの声こそが曲の肝で、しかもそれがけっこう「若い声」なので正直心配していたのですが、昔の声が出てましたね。思っていたよりも良かった。
今井美樹→これも思っていたよりも良かった。今井美樹のいいところは崩して歌わないところ。いかにも崩して歌いたくなる歌なのに崩さないできちんと歌いきったところに今井美樹の良さを見ました。
森進一→今回で紅白引退。一時期は日本No.1の歌手として評価していましたが、やはり引退は妥当かな。顔をいじりすぎていてアップで見るのが辛いですもん…。歌も頑張っていたけど、声を出そうとしてやや怒鳴り気味になっているところが、やはり衰えかと。
近藤真彦→戦犯。
松田聖子→前回もそうだったけど松田聖子は緊張する質なんでしょうかね。今回も緊張してた。できれば崩してほしくなかったけど、まあ許容範囲。


 
 綾瀬はるかとイノッチの司会は例年よりもシンプルで悪くなかったです。
 今回はまったく新しいヒット曲のない時代を何とか乗り越えたという感じ。今年は紅白もそうだけど、音楽業界そのものの奮起が求められる1年なのではないかと思いました。