Daughter/Not To Disappear

 2010年にヴォーカルのElena Tonraを中心にロンドンで結成された3ピースバンドの2ndアルバム。前作も良かったですけど、今作は更にいいです。
 このアルバムはとにかくギターが素晴らしい!ギターはIgor Haefeliという人物なのですが、彼はプロデューサーでもあるみたいで、相当な才能ですね。


 冒頭の"New Ways"も、ややダークな感じで始まって、エレナの声も雰囲気を出しているんだけど、何と言っても聴きどころはそのボーカルの主旋律の裏で鳴り響くギターのもう一つの旋律。けっして轟音を響かせているわけではないんだけど、音を重ねながら、ここぞというところで力強く、曲の展開を変えていきます。
 3曲目の"Doing The Right Thing"もサウンドプロダクションがうまくて、ときにボーカルに寄り添いながら、ときに空間いっぱいに音を響かせるようにギターが鳴っていて、緩急がついてる。4曲目の"How"は、逆に派手なギターから始まって、エレナのやや揺らぐような声が活かされてる。
 
 
 ミディアムテンポの曲が多く、中盤はやや単調になりますが、それを吹き飛ばすのが7曲目の"No Care"。前のめりに進んでいくリズムとギターが非常にかっこいい1曲です。
 9曲目の"Fossa"も最後にギターで盛り上げてきますし、やはりIgor Haefeliはいいギタリストだと思います。
 ちょっとColdplayのギタリスト、ジョニー・バックランドを思い起こさせる音もありますし、ギターの重ね方とかサウンドプロダクションは一瞬ですが、Radioheadの「OK Computer」を思い起こさせるものがあります。ただ、メインのメロディの強さは、やはり「OK Computer」のほうが圧倒的で、そのあたりが今後の課題でしょうか。
 ただ、これはよいアルバムだと思います。



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B015Z1PERC