ウェールズ出身のリッツィ・ブライアン(Ritzy Bryan)、リディアン・ダヴィズ(Rhydian Dafydd)、ジャスティン・ステイリー(Justin Stahley)の3人組の3枚目。
1stは女性ボーカルのリッツィの跳ねまわるような歌声が印象的でしたが、2ndはその勢いが落ちた感じでやや「普通」になってしまった感じでした。
で、今作はどうなったかというと、やはり1stの時のような勢いはないです。
ただ、そのぶんバンドサウンドとしてかなりの進化を見せており、リッツィのポップさに頼らなくてもすむような音になっています。4曲目の"Liana"なんかも曲としてはありがちかもしれませんが、バンドとしての演奏力でもって聴かせる出来になっています。8曲目の"Running Hands With the Night"も7分近い曲ですが、緩急のあるアレンジと演奏で飽きさせません。
特にドラムは今までとは違ってけっこう凝っていて、スリーピースのバンドながら変化を生み出しています。ただ、6曲目の"It's Started"はかっこいいドラムソロで始まるのに、それがギターが入ってきたところで途切れちゃうのがやや残念。
10曲目の"Underneath the Petal"のアコースティックなサウンドもけっこう新鮮ですし、11曲めの"Blowing Fire"は現在のバンドとしてのThe Joy Formidableの充実ぶりがうかがえる出来になっています。ラストの"Don't Let Me Know"も静から動への変化が効いています。
2ndの「Wolf's Law」を聴いた時は、「もういいかな」とも思ったのですが、切らずに今作を買って正解でした。
Hitch
Joy Formidable