Radiohead/A Moon Shaped Pool

 Radiohead、「The King Of Limbs」以来の9枚目のアルバム。
 先行して発表されたアルバム冒頭の"Burn The Witch"が、不協和音的なバイオリンが鳴り響くかなり派手目の曲だったので、久々に派手な感じで来るのかと思いましたが、アルバム全体を通して聞くと、ここ最近のRadiohead、あるいはトム・ヨークといった感じですかね。

 
 曲的にはよりミニマル・ミュージックに近づいている感じで、フレーズのループを活かしたような曲が目立ちます。Radioheadというと、「The Bends」の時のような美メロ、泣きメロが好きという人もいるかもしれませんが、そういった音楽からはどんどんと遠のいていると思います。
 5曲目の"Ful Stop"なんかはフレーズをループさせながらじわじわと盛り上げてくる感じが印象的な曲です。
 あと、7曲目の"Identikit"のアウトロ的なギターもいいですね。これも耳に残ります。


 ただ、最近のRadioheadのアルバムと同じく変化に乏しいのは否めないかと。
 ミニマル・ミュージック路線もいいとは思うのですが、チョイスする音がどれも似ている感じで、このアルバムでも明らかに「違う」というのは"Burn The Witch"くらいなんですよね。
 もちろん、楽曲自体はよく作りこまれていて、よく聴くといろいろな変化があるのですが、もう少しわかりやすい変化も欲しいと思います。
 あと、個人的には"Jigsaw Falling Into Place"以来、絶えた感のある泣きメロ的な曲も聴きたい。



A MOON SHAPED POOL
RADIOHEAD
B01FDF12W6