ふくろうず/だって、あたしたちエバーグリーン

 ふくろうず、レーベル移籍後の第一弾アルバム。ミニアルバムをたくさん出しているので、何枚目と言いにくいのですが、フルアルバムだと3枚目になります。
 全体としての印象はやや「サブカルっぽさ」が薄れて、けっこうまっとうなポップソング、ラブソングが増えてきた感じで、ふくろうずのメロディの良さがストレートに出た作品なんではないかと思います。
 1stフルアルバムの「砂漠の流刑地」にしろ、2ndフルアルバムの「マジックモーメント」にしろ、やや癖のあるのある前半で、素直にメロディの良い曲は後半に固まっていましたが、今作は前半から聴きやすいメロディの曲が並んでいます。


 例えば、3曲目の"うららのLa"は、アイドルとかが歌っても映えそうな曲ですし、ギターソロなんかも王道そのもの。内田万里のボーカルも比較的抑え目で、素直にメロディを楽しめる曲です。
 一方で、いかにもふくろうずっぽいのが6曲目の"ダイナソー"。以下の歌詞の一節をみれば、「いかにも」っぽさがわかるでしょう。

あたしにまるで分からない
男のロマンの世界があるらしい
男の子になりたいような
やっぱ 女の子でいいや
女の子がいい

 これを内田万里がエモさを発揮して歌うわけで、これぞふくろうず的な曲になっています。。


 この内田万里のエモさというのは、特にエキセントリックな曲だけに発揮されるわけではなく、8曲目の"春の王国"はストレートな曲が内田万里のボーカルでさらに盛り上がっていく曲。個人的には、このアルバムで一番好きですね。
 タイトルからして"春の惑星"と似たところがあって、「春の惑星じゃないか」と言われればそれまでですが、この手の曲での内田万里のボーカルは最高ですね。大好きです。
 ラストを飾る"エバーグリーン"も、シンプルな曲ながらボーカルとギターで引っ張っていく感じで、ラストを締めています。

 
 というわけで、今作もいいと思います。
 レーベル移籍もしたことだしぜひ売れてほしいわけですが、やはり「だって、あたしたちエバーグリーン」というタイトルはいかがなものかと。
 狙ってだか照れ隠しだか、「だって、あたしたち」と付けたい気持ちはわかりますが、やはりここは我慢して「エバーグリーン」でよかったのではないかと。
 だって、「今年良かったアルバムは?」と聞かれて、「だって、あたしたちエバーグリーン」と答えるのは恥ずかしいじゃないですか。


だって、あたしたちエバーグリーン
ふくろうず
B01EWHYOIA