『ラ・ラ・ランド』

 遅ればせながら見てきました。
 アルバムにおいて冒頭とラストの曲が良いと、それだけで繰り返し聴く気になるということがありますが、この『ラ・ラ・ランド』もそんな印象。
 中盤のストーリーはありきたりですし、予告で良さそうだったプラネタリウムのシーンなどもそれほど鮮やかではありませんでした。15分ごとに映画の評価を求められてそれを足したのが総合点だったら、そんなに高い点数は出ないかもしれません。
 けれども、何と言っても冒頭の高速道路とエマ・ストーンらが通りを踊りながら歩く冒頭のミュージカルシーン、そしてラストの盛り上がりが中盤の平板さをかき消しますね。
 そして、テーマソングの高揚感!このテーマソングの気持ちよさは大きいと思います。


 以前、Twitterのタイムラインで『ラ・ラ・ランド』と『君の名は。』が似ているとの感想を見たけど、確かに新海誠作品と通じるところもありますね。ありえたかもしれない過去へのこだわりと、喪失とナルシシズムの絡まり具合とかは新海誠と似ていると思います。音楽に合わせた画をつくる巧さなんかも共通点です。


 あとこの映画の魅力はエマ・ストーンの魅力でしょう。「美人」というタイプではないのかもしれませんが非常にチャーミングで、オーディションに通らないまだ洗練されていない女優志望の女性から、人気女優へと変貌する姿をうまく演じています。
 ところどころ甘い面はあるのですが、気持ちよく盛り上がることのできる映画になっていますね。


* 最初、キースがジョン・レジェンドだと気づかなかったのですが、キースのバンドが演奏する曲が絶妙にダサい感じで、これもちょっと面白かったです。


Ost: La La Land
Original Soundtrack
B01MPXX9GE