00年代で3本の指に入るアーティストくらいに評価しているるスウェーデンのEmil SvanängenのプロジェクトLoney Dearの久々のアルバム。前作の「Hall Music」が2011年なので6年ぶりですね。
今回のアルバム、1曲目の"Pun"も2曲目の"Humbug"もメロディ的には今までのLoney Dearを思いおこさせるものなのですが、アレンジが少し変わっていて、ややダークに、しかも「Dear John」とも違う感じのダークさを感じさせます。
また、それぞれの楽器の音を生かしていた「Loney,Noir」や「Hall Music」に比べると、電子音に寄った印象で、このあたりは好みが分かれるかもしれません。
そんな中でちょっと新境地を見せているのが6曲目の"Little Jacket"。細かいドラムにベースでメリハリを付け、そこに意外に太い声も出せるボーカルが乗っていく感じで、今までにない印象を与えてくれます。
あと、8曲目の"Dark Light"の後半の盛り上げ方はLoney Dearならでは。クラシック音楽とかも作曲できそうな才能が生きていると思います。そして最後にサンプリングを重ねてくるのは新しいですかね。
ただ、今作は全体を通して聴くとややメロディが弱いかもしれません。もともと、メロディよりもアレンジで聴かせるタイプではあるのですが、それにしてもメロディに新味がないのは否めないかもしれません。
とはいえ、最近音沙汰がなかっただけにLoney Dearの新作を聴けるというのはうれしいことです。
Loney Dear
Loney Dear